算木積とは

算木積は、石垣の出隅で、細長い石の長辺と短辺を上下で互い違いに組む積み方である。名は和算で用いた算木という細長い棒に由来する。

石垣は隅から崩れやすい。長い石を一段ごとに向きを変えて組むことで、二方向の面が互いをかみ合わせ、隅が抜けにくくなる。

壁面全体ではなく隅だけに用いる。徳島県の平岡家住宅西塀は明治前期の築造で、「鞆城下集落に所在する農家の石垣で、武家町に面する。通り沿いから主屋に向けてL字形に延び、主屋表座敷が面する庭園を囲む。延長21.2メートル、砂岩の割石を六段布積にし、出角は算木積として反りを付ける」と解説されている。壁面は布積、隅は算木積という組み合わせである。

愛媛県の明石寺石垣及び塀は「積み方は打込接乱積で、出隅部は算木積で反りを付ける」と解説されている。ここでも壁面と隅で積み方が分かれている。

整い方が年代の手がかりになる

算木積は時代が下るほど整う。兵庫県の旧森家住宅石垣は江戸中期から大正にかけて築かれたもので、「北辺中央部と西寄りは野面積で、中央部は西寄り部分よりもやや新しく、隅角部の算木積も整っている」と解説されている。同じ石垣のなかで、隅の整い方の差から築造時期の前後が読み取られている。

反りを付けるという記述も繰り返し現れる。石垣の面を垂直ではなく緩やかな曲線に立ち上げる手法で、隅で曲線を通すには算木積の精度が要る。

現地では石垣の角に立ち、上下の石の向きを見るとよい。一段ごとに長い面と短い面が入れ替わっていれば算木積である。壁面の積み方とは別に見る必要がある。

参考文献

文化庁 文化財の紹介 登録有形文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/toroku_yukei.html
国指定文化財等データベース(文化庁)平岡家住宅西塀/砂岩の割石を六段布積にし、出角は算木積として反りを付ける
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014297
国指定文化財等データベース(文化庁)明石寺石垣及び塀/積み方は打込矧ぎの乱積で、出隅部は算木積で反りを付ける
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006327
国指定文化財等データベース(文化庁)旧森家住宅石垣/北辺中央部と西寄りは野面積で、隅角部の算木積も整っている
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007283

最終更新: 2026.09.10