酒母とは

酒母は、清酒づくりの工程で、もろみを発酵させるための酵母を大量に培養したものである。酛とも呼ばれる。ジェトロ大分の清酒の製造工程の解説は、酒母の工程を、酒母タンクでもろみを発酵させる強い酵母を培養するものと説明している。麹室でつくった麹と蒸米、水を合わせ、そこで酵母を育てる。

酒母が仕上がると、それをもとに麹・蒸米・水を何回かに分けて加え、もろみを仕込む。酒母づくりは温度の管理が大切で、酒蔵の中に専用の部屋や建物を設けることが多い。

記録と実物で見分ける手がかり

文化財の記録では、酒母をつくる施設として「酒母蔵」「酒母室」などの名が出てくる。新潟県関川村の平田大六家住宅酒母蔵は、桁行6間半、梁間2間の細長い平面をもち、酒造業を営んでいた時期に酒母を仕込み育成する施設として使われていたと記録される。荒壁仕上げの外壁を保護するため、周囲を縦板壁で囲んでいる。

酒造の施設は、麹室、酒母室、仕込蔵、貯蔵蔵など、工程ごとに建物や部屋が分かれることが多い。記事では、記録の名称と用途の説明から、どの工程の施設かを確かめて書きたい。

参考文献

清酒の製造工程|ジェトロ大分
https://www.jetro.go.jp/jetro/japan/oita/industry/brewery/seisyu.html
平田大六家住宅酒母蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001330

最終更新: 2026.09.26