工場の敷地に残る住み込みの寮

森秀織物旧寄宿舎一(製品加工場)は、群馬県桐生市東4丁目の森秀織物の敷地東側、旧物置(八丁撚糸場)の北に建つ大正13年(1924年)頃の木造平屋建の寄宿舎で、平成18年(2006年)8月3日に登録有形文化財に登録された。

文化庁の記録では桁行4間半、梁間3間半、建築面積57平方メートル。入母屋造、桟瓦葺の屋根をかけ、南西の隅に切妻造の玄関を付ける。登録名の括弧内の「製品加工場」は、寄宿舎として使われなくなったあとの用途を示すとみられる。

森秀織物には、住み込みで働く織り手のための寄宿舎があった。昭和37年(1962年)には従業員137人のうち100人ほどが女性の織り手だったと伝わり、森秀織物旧寄宿舎一はその暮らしを伝える数少ない建物の一つである。登録番号は10-0175。

森秀織物旧寄宿舎一が登録された理由

森秀織物旧寄宿舎一の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、この建物が工場敷地内の居住施設の外観を示している点を挙げる。

工場の建物が鋸屋根や切妻の大きな屋根で並ぶなかで、入母屋の小ぶりな屋根と切妻の玄関をもつこの棟は、ひと目で住まいと分かる姿をしている。機屋の敷地に仕事場と寝起きの場が隣り合っていたことを、外観そのものが示している。

森秀織物旧寄宿舎一の見どころ

間取りは簡潔である。東西に10畳の部屋を2室並べ、西側を押入とする。かつては南側と西側が廊下になっていたと文化庁は記しており、廊下から2つの部屋に出入りする寮らしいつくりだった。

外から見るときは、南西隅の玄関を探したい。母屋の入母屋屋根に、玄関だけ切妻の小屋根を差し掛けた形で、廊下が回っていた南と西の面に面している。

森秀織物旧寄宿舎一の見学

森秀織物旧寄宿舎一(製品加工場)は、織物参考館“紫”として公開されている建物には含まれていない。内部の見学ができるかは確認できていないため、見学を希望する場合は織物参考館“紫”に問い合わせたい。撮影は公開されている範囲にとどめること。

Q&A

Q森秀織物旧寄宿舎一はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A大正13年(1924年)頃の建築で、平成18年(2006年)8月3日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は10-0175です。
Q森秀織物旧寄宿舎一は誰が住んでいた建物ですか?
A森秀織物の工場で働く人の寄宿舎でした。昭和37年(1962年)には従業員137人のうち100人ほどが女性の織り手だったと伝わります。
Q森秀織物旧寄宿舎一の間取りはどうなっていますか?
A東西に10畳の部屋が2室並び、西側が押入です。かつては南側と西側が廊下でした。
Q森秀織物旧寄宿舎一の「製品加工場」とは何ですか?
A寄宿舎として使われなくなったあと、製品の加工場として使われたことを示す名称とみられます。転用の時期は確認できていません。
Q森秀織物旧寄宿舎一の中は見学できますか?
A織物参考館“紫”の展示施設には含まれておらず、内部の公開は確認できていません。

基本情報

名称森秀織物旧寄宿舎一(製品加工場)(もりひでおりものきゅうきしゅくしゃいち(せいひんかこうじょう))
所在地群馬県桐生市東4-2-24
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積57㎡、桁行4間半・梁間3間半
所有者森秀織物株式会社
公開状況内部の公開は確認できない(織物参考館“紫”の展示施設に含まれない)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)森秀織物旧寄宿舎一(製品加工場)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005569
桐生市 森秀織物工場
https://www.city.kiryu.lg.jp/kankou/bunkazai/1010700/kunitouroku/1002000.html

最終更新日: 2026.10.06