日野家住宅主屋

日野家住宅主屋は、広島県安芸高田市甲田町深瀬にある屋敷地の中央に南面して建つ。前面にはかつて広い庭が開け、長い瓦屋根が正面を見せる。現在の建物は安永8年(1779年)頃の建て替えで、古い大規模な庭園を縮小した際に新たな構えで築かれた。

この家は旧姓を中村という日野家で、17世紀に創設され、初代は庄兵衛長輝と記録される。屋敷は国道54号線沿いにあり、複数の建物がこの主屋を核として二世紀以上かけて整えられてきた。

木造平屋建で建築面積は約441平方メートルに及び、農村の住宅としては際立って大きい。昭和11年(1936年)の改修で内部の一部が手直しされたが、古い骨組みは失われていない。

登録の理由と価値

主屋は平成27年(2015年)11月17日、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録有形文化財になった。あわせて登録された8棟の中心にあたり、一族が中国山地の一角をどう形づくったかを示す建物群の要となっている。

見どころは、二つの時代が一つ屋根の下で出会う点にある。東の土間には近世民家らしい重厚な梁組が現れ、その西では床上部が四列に四室前後を並べて広がる。地域の諸事業を営んだ家にふさわしい規模である。

12畳の前側には茶室が設けられ、座敷は鍵型に折れて縁が廻り、上部の採光窓が室内に光を導く。近世民家の主構造を保ちつつ、近代らしい洗練と開放性を取り込んだ造りといえる。

見どころ

道からは、深い瓦屋根と横に長い正面が落ち着いた品格を見せる。暗い土間と明るい床上部の境目は、働く場と改まった住まいの継ぎ目を示しており、立ち止まって眺めたい部分である。

縁側や採光窓に目を向けると、19世紀の間取りが20世紀の暮らしに合わせて手を加えられた様子が読み取れる。周囲の田から見れば、主屋は倉や門を配した屋敷全体の静かな中心として立っている。

屋敷は私有地であり一般には公開されていない。建物群は登録の趣旨どおり、公道や周囲の景観の中から味わうのがよい。内部に入れる場所を求める人には、無料で歩ける郡山城跡や安芸高田市歴史民俗博物館が近くにある。

よくある質問

Q主屋はいつ建てられましたか。
A安永8年(1779年)頃に建て替えられ、昭和11年(1936年)に一部改修されました。18世紀の間取りに20世紀の手直しが加わっています。
Q中に入れますか。
A私有地のため一般公開はされていません。外観は公道から眺めることができます。
Q内部の見どころは何ですか。
A東の土間の重厚な梁組と、茶室・縁側・採光窓を備えた西の座敷群の対比が特徴です。
Q近くで見学できる場所はありますか。
A無料で歩ける郡山城跡や、安芸高田市歴史民俗博物館が近くにあります。

基本データ

名称日野家住宅主屋(ひのけじゅうたくしゅおく)
所在地広島県安芸高田市甲田町深瀬字久住甲172・乙172合併
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成27年(2015年)11月17日/登録番号 34-0148
構造木造平屋建、瓦葺、建築面積約441平方メートル
建築年安永8年(1779年)頃、昭和11年(1936年)一部改修
公開状況私有地のため一般非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) — 日野家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010891
安芸高田市 — 日野家住宅
https://www.akitakata.jp/ja/shisei/section/kyouiku/shisekibunkazai/cultural_asset/r899/
文化遺産オンライン — 日野家住宅主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/276956

最終更新日: 2026.07.03