日野家住宅酒造倉
屋敷で最も古い納戸倉の東に接して、東西棟で酒造倉が建つ。享保18年(1733年)に建てられ、大正前期に現在地へ移された大型の二階建土蔵である。
建物は隣の納戸倉と同じく桁行約22メートルを測り、外壁は漆喰塗で、南面の東寄りに塗戸を開く。広島県安芸高田市甲田町深瀬の日野家屋敷に属する一棟である。
内部は床をほぼ空け、柱は二本のみとする。醸造の桶や作業に適した、広く高い空間が保たれている。
登録の理由と価値
酒造倉は平成27年(2015年)11月17日、歴史的景観への寄与を理由に登録有形文化財となった。旧姓を中村という日野家が担った事業の一つ、すなわち近世から続けた酒造業を示す建物で、地元の伝えによれば後に自前の発電所も酒造を支えたという。
価値は、その生業の歴史と広々とした内部にある。この規模の空間から柱を二本を残して取り払うには技を要し、住むためではなく生産のために形づくられた空間が生まれた。
古い納戸倉と並ぶことで、酒造倉は屋敷に印象的な規模を与える漆喰壁の長い連なりを形づくっている。
見どころ
二棟の長い土蔵が棟を連ねて並ぶ姿は、この場所で最も記憶に残る眺めである。南面の塗戸と壁面の長さは、表構えに沿ってゆっくり歩く価値がある。
二本の柱だけで空けられた内部と、醸造のために確保された高さを思い描けば、建物の用途は明らかになる。道からは、対になった土蔵が一族の産業の最も力強い表明として立つ。
屋敷は私有地で内部は非公開のため、酒造倉は建物群の一部として公道から味わうのがよい。近くの見学先としては、自由に歩ける郡山城跡と安芸高田市歴史民俗博物館がある。
よくある質問
- この倉は何に使われましたか。
- 近世から続いた家の酒造業に使われました。
- いつ建てられましたか。
- 享保18年(1733年)で、大正前期に現在地へ移されました。
- 内部の特徴は何ですか。
- 柱が二本のみで、醸造作業に適した広く高い空間が保たれています。
- 見学できますか。
- 私有地のため非公開ですが、道から眺められます。
基本データ
| 名称 | 日野家住宅酒造倉(ひのけじゅうたくしゅぞうぐら) |
|---|---|
| 所在地 | 広島県安芸高田市甲田町深瀬字久住甲172・乙172合併 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 平成27年(2015年)11月17日/登録番号 34-0152 |
| 構造 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積約214平方メートル |
| 建築年 | 享保18年(1733年)、大正前期移築 |
| 公開状況 | 私有地のため一般非公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁) — 日野家住宅酒造倉
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010895
- 安芸高田市 — 日野家住宅
- https://www.akitakata.jp/ja/shisei/section/kyouiku/shisekibunkazai/cultural_asset/r899/
- 文化遺産オンライン — 日野家住宅主屋
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/276956
最終更新日: 2026.07.03