煉瓦の街区に立つ1棟の木造洋館

上川倉庫事務所は、北海道旭川市宮下通11丁目にある大正2年(1913年)建築の木造2階建の洋館で、平成13年(2001年)に国の登録有形文化財に登録された。

上川倉庫事務所が立つのは、倉庫群の正面にあたる宮下通側のほぼ中央である。西隣の一号倉庫と東隣の八号倉庫が煉瓦の壁を通りに連ねるなかで、この1棟だけが板張りの外壁を見せる。文化庁の解説によれば、敷地のなかで唯一の木造建築である。

丹念に整えられた正面の妻面

上川倉庫事務所の外壁は下見板張で、屋根は鉄板葺である。通りに向いた妻面はペディメント状の三角形に造られ、その頂にはファイニアルと呼ばれる尖った飾りが載る。

2階の中央には半円アーチの窓が開き、アーチの頂に要石を据え、周りを額縁の飾りで縁取っている。文化庁の解説は、この正面の妻側にとりわけ丹念な意匠が施されていると記す。

東面には煉瓦の煙突が立ち上がる。板張りの洋館に煉瓦の縦の線が1本だけ加わり、背後に並ぶ倉庫の素材と呼応している。

7棟のなかでの位置づけ

上川倉庫事務所は平成13年(2001年)11月20日、倉庫6棟とともに登録有形文化財となった(登録番号01-0038)。倉庫6棟の登録基準が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」であるのに対し、上川倉庫事務所だけが「造形の規範となっているもの」として登録されている。

建築面積は120平方メートルで、7棟のなかでは最も小さい。それでも倉庫群の顔として正面中央に置かれ、両隣の一号倉庫・八号倉庫の重い煉瓦壁と対照をなしている。

見学について

上川倉庫事務所の内部について、一般向けの公開の案内は見当たらない(2026年10月時点)。正面の妻面と2階のアーチ窓は、宮下通の歩道から見ることができる。

通りから上川倉庫事務所の外観を撮影する場合は、歩道を行き交う人の妨げにならないようにしたい。

Q&A

Q上川倉庫事務所はどこにありますか?
A北海道旭川市宮下通11丁目、上川倉庫群の正面にあたる宮下通側のほぼ中央に立っています。
Q上川倉庫事務所はいつ建てられましたか?
A大正2年(1913年)です。倉庫群のなかでは十一号倉庫と同じ年の建築になります。
Q上川倉庫事務所の外観の見どころは?
Aペディメント状に造った正面の妻面と頂部のファイニアル、2階中央の要石と額縁飾りの付いた半円アーチ窓、東面に立つ煉瓦の煙突です。
Q上川倉庫事務所はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A平成13年(2001年)11月20日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。倉庫群で唯一の木造建築で、正面の意匠が丹念に整えられている点が評価されています。
Q上川倉庫事務所の中は見学できますか?
A一般向けの公開の案内は見当たりません(2026年10月時点)。外観は宮下通の歩道から見られます。

基本情報

名称上川倉庫事務所
所在地北海道旭川市宮下通11丁目1604-1・2
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号01-0038
指定年平成13年(2001年)11月20日登録
員数1棟
寸法木造2階建、鉄板葺、建築面積120平方メートル
所有者上川倉庫株式会社
公開状況内部の一般公開の案内なし。外観は宮下通から見られる

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) — 上川倉庫事務所
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002491
文化遺産オンライン — 上川倉庫事務所
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/139761

最終更新日: 2026.10.07