1棟の主屋 ― 2006年に登録有形文化財

赤木家住宅主屋は、兵庫県豊岡市引野972にある明治時代の建造物で、2006年(平成18年)3月2日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。

員数は1棟である。ふりがなの欄は、あかぎけじゅうたくしゅおくである。

構造は木造2階一部3階建、瓦葺、建築面積278平方メートルとされる。年代の欄は明治、西暦は1870年である。

三つの階が、三つの用途に分かれる

階ごとに、使い方がはっきり違う。

文化庁は、1階を六間取として、2階にも座敷をとり、3階を養蚕室とする、と記す。

六間取は、六つの部屋を田の字に近い形に並べる間取りをいう。1階で暮らし、2階で客を迎え、3階で蚕を飼う。

養蚕は、蚕を育てて繭をとる仕事である。住まいの最上階が、その仕事場にあてられる。

続けて、越屋根を上げ、とある。越屋根は、屋根の上にもう一段小さな屋根を載せ、そのすき間から風や光を入れる作りをいう。

草加市立歴史民俗資料館では、屋上が運動場になっていた。本件は、屋根の下の最上階が養蚕の場になる。

一つの屋根の、南と北で形が違う

同じ棟の両端で、屋根の形が異なっている。

文化庁は、桁行10間、梁間7間で、木造2階建、南側を切妻造、北側を入母屋造とし、瓦葺とする、と記す。

切妻は屋根の端を三角の壁で切る形、入母屋は上を切妻、下を四方に流す形をいう。

楠森河北家住宅主屋でも、屋根が東面で入母屋造、西面で切妻造だった。あちらは東と西で分かれる。

本件は、南が切妻、北が入母屋になる。一つの屋根の両端の形が違う点は同じで、向きが異なる。

主屋は、東面敷地の中央北東寄りに位置する、とされる。

質と規模の、両方で評価される

評価の言葉が、二つの物差しを同時に挙げている。

文化庁は、式台玄関を構え、農家建築として質、規模共に秀でる、と結ぶ。

式台玄関は、床より一段低い板敷きを設けた格式の高い玄関をいう。

大石家住宅主屋は、大規模な農家建築の好例とされた。あちらは規模である。重田家住宅主屋は、四方蓋農家の好例とされた。あちらは型である。

本件は、質と規模の両方が挙げられる。同じ豊岡市の二つの屋敷の主屋が、別の物差しで評価されることになる。

建築面積278平方メートルは、大石家住宅主屋の279平方メートルとほぼ同じである。

見学

所在は兵庫県豊岡市引野972である。

建築面積278平方メートルで、同じ屋敷の16棟のなかで最も大きい。

年代の欄は1870年と一点で示される。同じ屋敷の他の15棟は、明治の範囲として幅をもって記される。

主屋の北西には離れ(北涼館)があり、廊下で主屋と接続する、とされる。

所有者の記録がなく、公開の有無や条件は所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q赤木家住宅主屋はいつ登録されましたか。
A2006年(平成18年)3月2日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1棟です。
Q3階は何に使われていたのですか。
A文化庁は「3階を養蚕室とする」と記します。1階は六間取、2階にも座敷があります。
Q屋根はどのような形ですか。
A南側を切妻造、北側を入母屋造とし、瓦葺です。越屋根を上げています。
Q何が評価されているのですか。
A文化庁は「式台玄関を構え、農家建築として質、規模共に秀でる」と結びます。
Qどのくらいの大きさですか。
A桁行10間、梁間7間、建築面積278平方メートルで、同じ屋敷の16棟のなかで最も大きくなります。

基本情報

名称赤木家住宅主屋(あかぎけじゅうたくしゅおく)
所在地兵庫県豊岡市引野972
指定区分登録有形文化財(建造物・住居建築)/指定ではなく登録/同じ屋敷の16棟が同じ日に登録
指定年2006年(平成18年)3月2日 登録
員数1棟
寸法木造2階一部3階建、瓦葺、建築面積278平方メートル。桁行10間、梁間7間、南側を切妻造、北側を入母屋造とする。1階を六間取、2階にも座敷、3階を養蚕室とし、越屋根を上げ、式台玄関を構える。年代の欄は明治、西暦は1870年
所有者記録に記載なし
公開状況公開の有無や条件は所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 赤木家住宅主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/190040
文化遺産オンライン 赤木家住宅離れ(北涼館)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/142581
文化庁 国指定文化財等データベース 赤木家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005312
豊岡市
https://www.city.toyooka.lg.jp/

最終更新日: 2026.09.22