米田家住宅とは

米田家住宅は、淡路島の兵庫県洲本市宇山にある個人の邸宅で、昭和16年(1941年)に建てられた主屋・寝殿・客殿・湯殿・洋館・土蔵・下納屋・祠の8棟が、平成16年(2004年)3月2日にそろって登録有形文化財となった。

文化庁のデータベースは、8棟の年代をすべて昭和16年としている。代を重ねるごとに建物が増えていった屋敷が多いなかで、家族の住まい、客を迎える2階建の座敷、茶室を備えた湯殿、洋風の事務棟、蔵、屋敷神の祠までが同じ年の普請としてそろっている。一度にまとめて整えられた屋敷の全体像が、そのまま残っている点が米田家住宅の大きな特徴である。

主屋の棟札には、設計を山本豊圓、棟梁を斎藤三吉が務めたことが記されている。8棟が同じ年に建ったことから、屋敷全体を同じ顔ぶれが手がけた可能性もあるが、資料が名前を挙げているのは主屋だけである。

文化庁の解説は、主屋・客殿・湯殿をいずれも数寄屋風の建物として説明し、寝殿には近代的な意匠を、洋館にはスクラッチタイル張の洋風の外観を指摘している。和風の住まいを中心に、洋風の棟を1つ加えた構えである。下納屋の解説では、この屋敷を当地方の大邸宅の暮らしを伝えるものと位置づけている。

屋敷の配置

文化庁の解説をもとに、米田家住宅の8棟の位置関係を整理する。

敷地の東寄り:主屋と下納屋

主屋は敷地の東寄りに西を向いて建ち、正面に入母屋造の玄関を突き出している。主屋の背面の東側には、細長い下納屋が主屋と平行に建つ。

屋敷のほぼ中央:寝殿

寝殿は屋敷のほぼ中央に南を向いて建ち、渡廊下で主屋と結ばれている。

寝殿の北:客殿と湯殿

客殿は寝殿の北側に建つ総2階建の建物である。その東に湯殿があり、客殿と湯殿も渡廊下でつながる。

敷地の南西:洋館

洋館は敷地の南西寄りに、主屋と向かい合うように建つ。

敷地の北西:土蔵と祠

土蔵は敷地の北西部に南を向いて建ち、祠はその西、敷地の北西の隅に南を向いて置かれている。どちらも花崗岩を精巧に切って積んだ基壇の上に立つ。

主屋と寝殿、客殿と湯殿がそれぞれ廊下でつながり、住まいと客の棟が敷地の中央から北にかけてまとまる。蔵と祠は北西の隅に寄せられ、玄関・事務室・応接室をもつ洋館は主屋の正面側に離して置かれている。来訪者の応対を洋館で受け持たせた配置とも読めるが、各棟の使い分けを記した資料は見当たらず、推定にとどまる。

登録の内容

米田家住宅の8棟は、平成16年(2004年)3月2日付の第41回登録で登録有形文化財(建造物)となり、同じ年の3月29日に告示された。登録番号は28-0142から28-0149までの連番で、登録基準は8棟とも「造形の規範となっているもの」である。

  • 主屋(28-0142):木造平屋建、瓦葺、建築面積124平方メートル
  • 寝殿(28-0143):木造平屋建、瓦葺、建築面積50平方メートル
  • 客殿(28-0144):木造2階建、瓦葺、建築面積124平方メートル
  • 湯殿(28-0145):木造平屋建、瓦葺、建築面積42平方メートル
  • 洋館(28-0146):木造平屋建、瓦葺、建築面積95平方メートル
  • 土蔵(28-0147):土蔵造2階建、瓦葺、建築面積38平方メートル
  • 下納屋(28-0148):木造平屋建、瓦葺、建築面積7.9平方メートル
  • 祠(28-0149):木造平屋建、銅板葺、建築面積1.3平方メートル

8棟の建築面積を足すと約480平方メートルになる。最も大きいのは主屋と客殿の124平方メートルで、最も小さい祠は1.3平方メートルしかない。住まいの棟から屋敷神の祠までを同じ基準で登録しているところに、屋敷を一体として評価する見方が表れている。

兵庫県教育委員会が公開している国登録文化財の一覧では、米田家住宅は個人所有として主屋から下納屋までの7件が載り、祠の行は見当たらない。文化庁のデータベースと文化遺産オンラインには、祠を含む8件が登録されている。

見学とアクセス

米田家住宅は個人の住まいで、2026年10月時点で一般公開や見学会の案内は確認できなかった。敷地や建物の内部には立ち入れない。外から建物を眺める場合も、敷地に入らず、住んでいる方の迷惑にならないよう配慮したい。

8棟の外観は、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された写真で確かめられる。

所在地は洲本市宇山2-5-4。淡路島には鉄道がなく、神戸や大阪方面からの高速バスが発着する洲本バスセンターが島内移動の起点になる。米田家住宅は洲本バスセンターから西北西へ直線でおよそ0.9キロメートルの位置にある。この距離は地図上の位置から求めた目安で、公式のアクセス案内は出ていない。

名称について

米田家住宅の読みは「よねだけじゅうたく」。文化庁のデータベースでは、8棟がそれぞれ「米田家住宅主屋」「米田家住宅祠」のように、屋敷名に棟名を続けた名称で登録されている。棟名の読みは、寝殿が「しんでん」、客殿が「きゃくでん」、湯殿が「ゆどの」、下納屋が「しもなや」、祠が「ほこら」である。米田家の家業や来歴について、文化庁や兵庫県の公表資料には記述が見当たらない。

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅主屋」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004012
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅寝殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004013
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅客殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004014
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅湯殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004015
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅洋館」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004016
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅土蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004017
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅下納屋」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004018
文化庁 国指定文化財等データベース「米田家住宅祠」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004019
文化遺産オンライン「兵庫県・洲本市」の文化財
https://online.bunka.go.jp/heritages/region/28/28205
兵庫県教育委員会「国登録文化財(建造物)一覧」
https://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-bo/gyouseisituhp/top/R2kunitourokubunkazaiitiran.pdf

最終更新日: 2026.10.08

基本情報

名称米田家住宅
所在地兵庫県洲本市宇山2-5-4
指定登録有形文化財 8件
座標34.34799, 134.88735