本山寺大日堂 ― 室町の古材で組まれた小堂

本山寺大日堂は、香川県三豊市豊中町本山の本山寺境内にある江戸時代中期の仏堂で、平成26年(2014年)12月19日に国の登録有形文化財に登録された。真言密教の中心仏である大日如来を堂名に冠し、地元では赤堂(あかどう)の名でも呼ばれる。

本堂の西脇、一段高く築いた基壇の上に南を向いて建つ。建築面積は16平方メートル。本山寺で登録された建物のなかでも小さな部類だが、年代の読み解きがもっとも込み入った一棟である。

登録の理由 ― 二つの時代が同居する

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説によれば、本山寺大日堂の太い円柱と、実肘木を添えた三斗の組物は、風化の具合から室町時代の材と判断される。一方で長押や天井の部材は細く、18世紀中期に古材を利用して整備されたと考えられている。

つまりこの堂は、室町期の堂の柱と組物を受け継ぎ、江戸時代中期に姿を整え直した建物ということになる。本堂以外の多くが江戸時代の新築であるなかで、中世の部材を抱えたまま残った本山寺大日堂は、境内の建物の来歴をたどるうえで欠かせない存在である。

見どころ ― 柱の太さと長押の細さ

平面は方三間、屋根は宝形造の本瓦葺で、頂部に向かって四方から屋根が集まる。内部は奥の一間に仏壇を構えた一室で、天井は棹縁天井とする。

見比べたいのは柱と横材である。円柱は堂の小ささに比べて明らかに太く、表面には長い年月の風食が刻まれている。その柱をつなぐ長押はずっと細い。同じ建物のなかで部材の太さがそろわないことが、そのまま時代の差を示している。

柱の上には、斗を三つ並べた三斗の組物が載り、その上に実肘木を添える。この組物も室町期の材とされるので、柱と一緒に見上げておきたい。

見学方法

本山寺大日堂の外観は境内から自由に見られる。内部の公開について寺からの案内は見当たらず、見学は外観が中心になる。基壇の上に建つため、基壇の下から見上げる形になる。

正面が南を向いているので、日中は正面に光がよく当たり、円柱の表面の風食が見やすい。組物の陰影を見るなら、光が斜めに入る午前か午後が向いている。外観の撮影を制限する公式の規定は確認できなかったが、参拝者の妨げにならないよう配慮し、現地の掲示に従いたい。

Q&A

Q本山寺大日堂はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A文化庁は江戸時代中期の建物とし、18世紀中期に室町時代の古材を利用して整備されたと考えています。平成26年(2014年)12月19日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は37-0410です。
Q本山寺大日堂が「赤堂」と呼ばれるのはなぜですか?
A本山寺大日堂は、四国八十八ヶ所霊場会や三豊市の案内で赤堂とも呼ばれています。呼び名の由来について公式の説明は確認できませんでした。
Q本山寺大日堂のどこが室町時代の部材ですか?
A太い円柱と、実肘木を添えた三斗の組物が、風化の具合から室町時代の材と判断されています。長押や天井は細く、江戸時代中期の整備時のものと考えられています。
Q本山寺大日堂の内部は見学できますか?
A内部公開についての案内は確認できず、見学は外観が中心になります。本堂の西脇の基壇上に南を向いて建っており、円柱と組物は外から観察できます。
Q本山寺大日堂はどんな形の建物ですか?
A方三間の小さな堂で、屋根は宝形造の本瓦葺です。内部は奥の一間に仏壇を構えた一室で、棹縁天井を張っています。建築面積は16平方メートルです。

基本情報

名称本山寺大日堂(もとやまじだいにちどう)
所在地香川県三豊市豊中町本山甲字新田1760-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)12月19日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積16平方メートル
所有者宗教法人本山寺
公開状況外観は境内から見学可、拝観料なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)本山寺大日堂
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010370
三豊市 文化財一覧(登録有形文化財)
https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/kyouikuiinkai/shogai/3_1/history_bunnkazai/13938.html
四国八十八ヶ所霊場会 七宝山持宝院本山寺
https://88shikokuhenro.jp/70motoyamaji/

最終更新日: 2026.09.26