本山寺十王堂 ― 大師堂と向かい合う宝暦の堂

本山寺十王堂は、香川県三豊市豊中町本山の本山寺境内にある宝暦9年(1759年)建立の仏堂で、平成26年(2014年)12月19日に国の登録有形文化財に登録された。十王堂の名は、死者の生前の行いを裁くとされる冥界の十人の王、閻魔王らを祀る堂であることに由来する。

本堂の南西に位置し、東を向いて建つ。向かい側で西を向く大師堂と対になり、本堂の前庭を左右から挟んでいる。建築面積は148平方メートルで、平成26年に登録された本山寺の7件のなかでもっとも大きい。平成5年(1993年)に改修を受けた。

登録の理由 ― 簡素な本体と充実した向拝

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説によれば、本山寺十王堂は角を削いだ面取角柱を貫と長押で固め、柱上には大斗に絵様肘木を組む簡素な構えとする一方、正面の向拝は架構も細部も充実している。本体を抑え、参拝者の目に入る正面に手をかける造り方である。

本堂を挟んで向かい合う大師堂より36年早く建っており、本山寺の堂宇が江戸時代中期から後期にかけて段階的に整えられたことを示す一棟でもある。

見どころ ― 三間の向拝と奥へ伸びる増築

本体は桁行五間・梁間三間で、屋根は寄棟造の本瓦葺。正面に三間の向拝を付ける。内部は前の一間を外陣、その奥を内陣とする。横に長い五間の正面いっぱいに近い幅で向拝が張り出すため、東側から見ると堂の大きさがいっそう際立つ。

向拝の下では、柱と本体をつなぐ梁の組み方や、柱頭まわりの彫りの入った部材に注目したい。本体の柱まわりが大斗と肘木だけで済ませているのと並べると、どこに手間をかけたかが一目で分かる。

背面にも目を向けたい。後ろへ廊下が延び、その先に護摩堂が増築されている。本体とは別の時期に足された部分で、堂が祈祷の場として使われ続けてきたことを建物の形が示している。

見学方法

本山寺十王堂の外観は境内から自由に見られる。内部の公開について寺からの案内は見当たらず、見学は外観が中心になる。背面の廊下と護摩堂は堂の裏手にあたるため、参拝の妨げにならない範囲で側面から確かめたい。

正面が東を向いているので、向拝の細部を見るなら朝のうちがよい。低い光が向拝の梁や彫物に陰影をつける。外観の撮影を制限する公式の規定は確認できなかったが、法要や参拝の妨げにならないよう配慮し、現地の掲示に従いたい。

Q&A

Q本山寺十王堂はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A宝暦9年(1759年)の建立で、平成5年(1993年)に改修されています。平成26年(2014年)12月19日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は37-0409です。
Q本山寺十王堂の「十王」とは何ですか?
A死者の生前の行いを裁くとされる冥界の十人の王のことで、閻魔王もその一人です。十王堂はこの十王を祀る堂の呼び名です。
Q本山寺十王堂の内部は見学できますか?
A内部公開についての案内は確認できず、見学は外観が中心になります。正面の向拝や背面の護摩堂の増築部分は境内から観察できます。
Q本山寺十王堂は境内のどこにありますか?
A本堂の南西で、東を向いて建っています。南の二王門から入ると本堂へ向かう左手にあたり、右手で西を向いているのが大師堂です。
Q本山寺十王堂の建築上の特徴は何ですか?
A桁行五間・梁間三間、寄棟造・本瓦葺の本体に三間の向拝を付けた形です。本体の柱まわりは簡素ですが、向拝は架構も細部も充実しています。背面には廊下と護摩堂が増築されています。

基本情報

名称本山寺十王堂(もとやまじじゅうおうどう)
所在地香川県三豊市豊中町本山甲字新田1760-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)12月19日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積148平方メートル
所有者宗教法人本山寺
公開状況外観は境内から見学可、拝観料なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)本山寺十王堂
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010369
三豊市 文化財一覧(登録有形文化財)
https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/kyouikuiinkai/shogai/3_1/history_bunnkazai/13938.html
四国八十八ヶ所霊場会 七宝山持宝院本山寺
https://88shikokuhenro.jp/70motoyamaji/

最終更新日: 2026.09.26