醤油づくりを始めたころの諸味蔵

小豆島馬越醤油北諸味蔵は、香川県小豆郡土庄町馬越の小豆島馬越醤油に建つ江戸末期の木造平屋建の諸味蔵で、平成15年(2003年)3月18日に国の登録有形文化財に登録された。建築面積は368平方メートル。文化庁は、醤油醸造の創業期に建てられたものと考えられるとしている。

諸味蔵は、仕込んだもろみを桶に入れて長く寝かせるための蔵である。蔵元は安政2年(1855年)の創業で、江戸時代に建てた醸造蔵をいまももろみの熟成に使っていると案内している。登録された5件のうち、江戸末期の諸味蔵はこの小豆島馬越醤油北諸味蔵1棟だけである。

位置は敷地の海岸寄りで、棟を東西に長く通す。すぐ南には明治34年(1901年)の南諸味蔵が並んでいる。

腰の切石積と西端の棟違い

屋根は切妻造の桟瓦葺で、西の端だけを棟違いにしている。長い屋根の稜線が西端で段を付けて切り替わるため、少し離れて見ると建物の端がどこにあるかがはっきりする。

側まわりの足もとは、腰の高さまで切石を積み上げている。その上は柱を見せる真壁造の壁だが、外側を縦板で覆っているので、外からは石の腰と板張りの壁の二段に見える。海に近い蔵で、傷みやすい壁の下部を石で受けた造りと読むこともできる。

中柱と登梁の下に並ぶ木桶

内部は棟通りに中柱を立て、水平の梁と登梁を組み合わせて屋根を支えている。文化庁の解説は、その下に木桶が整然と配されていると記す。

棟通りの中柱は、広い蔵の真ん中で屋根の重さを受ける柱である。柱を棟の下に一列に立てることで、梁を短く継ぎながら368平方メートルの床をまたいでいる。

小豆島馬越醤油北諸味蔵の登録番号は37-0152、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説が具体的に挙げるのは、外まわりの切石積と縦板張、棟違いの屋根、そして中柱・水平梁・登梁の架構と整然と並ぶ木桶で、江戸末期の醸造蔵の形がそろって残る点が評価されたと読める。

小豆島馬越醤油北諸味蔵の見学

小豆島馬越醤油北諸味蔵は現役の醸造場の蔵で、内部は公開されていない。木桶の並ぶ様子は外からは見られず、蔵元が案内する杉桶での1年以上の熟成がこの蔵で行われているかどうかも公表されていない。

外観は敷地の外から見える範囲で眺めたい。見分ける手がかりは、足もとの切石と縦板の境目、西端で段の付いた屋根の2点である。南隣の南諸味蔵については、文化庁の解説に腰の切石積も棟違いも出てこない。並んだ2棟の足もとと屋根の端を見比べると、建てられた時代の違いが見えてくる。

Q&A

Q小豆島馬越醤油北諸味蔵はいつ建てられましたか?
A江戸末期の建物で、文化庁は醤油醸造の創業期に建てられたものと考えられるとしています。蔵元の創業は安政2年(1855年)です。
Q小豆島馬越醤油北諸味蔵は何に使う蔵ですか?
Aもろみを桶で寝かせる諸味蔵です。内部には棟通りの中柱と水平梁・登梁の架構の下に木桶が整然と並んでいます。
Q小豆島馬越醤油北諸味蔵の外観の特徴は?
A腰まで切石を積み、その上の真壁造の壁を縦板で覆っています。切妻造・桟瓦葺の屋根は西端を棟違いにしています。
Q小豆島馬越醤油北諸味蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。見学の受け入れについて公表された案内も見つかっておらず、外観を敷地の外から眺める形になります。
Q小豆島馬越醤油北諸味蔵はなぜ登録有形文化財なのですか?
A平成15年(2003年)3月18日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。登録番号は37-0152です。

基本情報

名称小豆島馬越醤油北諸味蔵(しょうどしまうまごえしょうゆきたもろみぐら)
所在地香川県小豆郡土庄町馬越字前浜甲161
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号37-0152
指定年平成15年(2003年)3月18日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、切妻造、桟瓦葺、建築面積368平方メートル
所有者小豆島馬越醤油合資会社
公開状況内部非公開。外観は敷地の外から見える範囲のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):小豆島馬越醤油北諸味蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003325
国指定文化財等データベース(文化庁):小豆島馬越醤油南諸味蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003326
文化遺産オンライン:小豆島馬越醤油北諸味蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/149935
ヤマハ食品株式会社・小豆島馬越醤油合資会社 公式サイト
https://www.yamaha.org/

最終更新日: 2026.09.29