記録から上棟年の分かる明治34年の諸味蔵

小豆島馬越醤油南諸味蔵は、香川県小豆郡土庄町馬越の小豆島馬越醤油に建つ明治34年(1901年)の木造平屋建の諸味蔵で、平成15年(2003年)3月18日に国の登録有形文化財に登録された。建築面積は300平方メートル。文化庁の解説によれば、上棟の年が記録から判明している。

建物は北諸味蔵の南に並び、2棟とも棟を東西に通す。北諸味蔵が醤油醸造の創業期、江戸末期の蔵と考えられているのに対し、小豆島馬越醤油南諸味蔵はそれより少なくとも30年余りあとに建て足された、もろみを寝かせるための2棟目の大きな蔵である。

北の蔵にならった長大な平屋

屋根は切妻造の桟瓦葺。東西に長大な平屋で、桁行は北諸味蔵より少し短い。側まわりは柱を見せる真壁造の壁を、外から縦板で覆っている。

外観の組み立ては北の蔵とほぼ同じだが、違いもある。文化庁は北諸味蔵について腰まで積んだ切石と西端の棟違いを記しているが、小豆島馬越醤油南諸味蔵の解説にはそのどちらも出てこない。明治の蔵は、創業期の蔵の形を下敷きにしつつ、細部を整理して建てられたとみることができる。

大径材の架構と伝統的な手法

架構は棟通りの中柱をはじめ、各梁に大径材を使っている。文化庁は、伝統的な手法を踏襲した蔵と評価する。

明治34年は、同じ敷地で明治21年(1888年)に製成場が建ち、明治41年(1908年)に煉瓦造の煙突が立つまでのあいだにあたる。工場の中心が近代の設備へ移っていく時期にも、もろみを寝かせる蔵は太い材を中柱で受ける昔ながらの木組みで建てられた。醤油の熟成には、新しい構法よりも実績のある蔵の形が選ばれたとも読める。

小豆島馬越醤油南諸味蔵の登録番号は37-0153、登録基準は北諸味蔵と同じ「造形の規範となっているもの」である。

小豆島馬越醤油南諸味蔵の見学

小豆島馬越醤油南諸味蔵は現役の醸造場の蔵で、内部は公開されていない。見学の受け入れについて公表された案内も見つからなかった。

外観を見るときは、北諸味蔵と並んだ2棟の屋根の長さを比べてみたい。南の蔵のほうがわずかに短い。北の蔵の腰に積まれた切石が、こちらの足もとにもあるかどうかを見比べるのも一つの見方である。敷地には立ち入らず、外から見える範囲で眺めること。

Q&A

Q小豆島馬越醤油南諸味蔵はいつ建てられましたか?
A明治34年(1901年)の上棟で、その年は記録から判明しています。
Q小豆島馬越醤油南諸味蔵と北諸味蔵はどう違いますか?
A北諸味蔵は江戸末期、南諸味蔵は明治34年の建物です。南の蔵は桁行が少し短く、文化庁の解説には北の蔵にある腰の切石積と西端の棟違いが出てきません。
Q小豆島馬越醤油南諸味蔵の構造の特徴は?
A切妻造・桟瓦葺の木造平屋建で、棟通りの中柱や各梁に大径材を使い、伝統的な手法を踏襲しています。建築面積は300平方メートルです。
Q小豆島馬越醤油南諸味蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。外観を敷地の外から眺める形になります。
Q小豆島馬越醤油南諸味蔵はなぜ登録有形文化財なのですか?
A平成15年(2003年)3月18日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。登録番号は37-0153です。

基本情報

名称小豆島馬越醤油南諸味蔵(しょうどしまうまごえしょうゆみなみもろみぐら)
所在地香川県小豆郡土庄町馬越字前浜甲161
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号37-0153
指定年平成15年(2003年)3月18日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、切妻造、桟瓦葺、建築面積300平方メートル
所有者小豆島馬越醤油合資会社
公開状況内部非公開。外観は敷地の外から見える範囲のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):小豆島馬越醤油南諸味蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003326
国指定文化財等データベース(文化庁):小豆島馬越醤油北諸味蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003325
文化遺産オンライン:小豆島馬越醤油南諸味蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/179546

最終更新日: 2026.09.29