旧加地邸とは

旧加地邸は、神奈川県三浦郡葉山町一色にある昭和3年(1928年)完成の住宅で、建築家の遠藤新が設計し、平成29年(2017年)10月27日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「きゅうかちてい」で、現在は「葉山加地邸」の名で知られる。

文化庁の記録では、木造一部鉄筋コンクリート造の2階建で一部が地下1階、屋根は銅板葺、建築面積は297平方メートル。登録番号は14-253である。

三井物産の重役のための家

葉山加地邸の公式サイトによれば、旧加地邸は三井物産の重役であった加地利夫のために、遠藤新が設計した住宅である。遠藤はフランク・ロイド・ライトに師事した建築家で、旧加地邸にも師の作風が色濃く表れている。

令和2年(2020年)、旧加地邸は建築家・神谷修平による改修を経て、一棟貸しの宿として使われるようになった(公式サイト)。公式サイトによると、サロンやサンルームなど意匠の価値が高い部屋は照明の更新程度にとどめ、浴室や台所など設備が要る場所を大きく改めたという。

登録有形文化財としての価値

旧加地邸は「造形の規範となっているもの」として登録された。文化庁は、大谷石を多く用い、水平に大きく伸びる軒でまとめたプレーリースタイルの住宅であり、ライト風住宅の秀作と評価している。

間取りと見どころ

文化庁の解説に沿って歩くと、旧加地邸の構成がよくわかる。大谷石を敷いたアプローチから玄関に入り、中心にはサンルームを備えた居間が置かれ、その南にテラスが開く。居間の東に寝室、西に食堂などが並び、暖炉の背面側には撞球室(ビリヤード室)がある。

外から見るときは、低く水平に伸びる軒と、壁や床に繰り返される大谷石に目を留めたい。公式サイトは、建物全体に三角形や六角形のモチーフが反復していることにも触れている。

見学について

旧加地邸は一棟貸しの宿として営業しており、建物の中に入れるのは原則として宿泊者である(公式サイト)。宿泊以外では、支配人の解説付きで館内を巡る見学ツアーが日を決めて開かれており、ツアー中は館内のすべての場所で写真を撮ってよいとされる。開催日は公式サイトで確かめたい。神奈川県観光協会も、見学の機会は不定期のツアーなどに限られると案内している。

公式サイトによれば、JR逗子駅または京急逗子・葉山駅から京急バスの「葉山(山手回り)」系統に約15分乗り、「旧役場前」で降りて徒歩約5分。車の場合は逗葉新道の長柄ICから約10分で、敷地内に無料の駐車場が3台分ある。周辺は道幅が狭い。

Q&A

Q旧加地邸(葉山加地邸)はいつ建てられましたか?
A昭和3年(1928年)です(文化庁)。
Q旧加地邸は誰が設計しましたか?
Aフランク・ロイド・ライトに学んだ建築家の遠藤新です。三井物産の重役であった加地利夫のために設計されました(公式サイト)。
Q旧加地邸の建物の特徴は?
A大谷石の多用と水平に大きく伸びる軒が特徴で、文化庁はライト風住宅の秀作としています。サンルームのある居間を中心に、寝室・食堂・撞球室が配されています。
Q旧加地邸は見学できますか?
A一棟貸しの宿として使われており、宿泊以外では日程を決めて開かれる館内見学ツアーで見学できます。開催日は公式サイトで確認してください。
Q旧加地邸が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成29年(2017年)10月27日です(文化庁)。

基本情報

名称旧加地邸(きゅうかちてい)
所在地神奈川県三浦郡葉山町一色1706
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成29年(2017年)10月27日登録
員数1棟
寸法木造一部鉄筋コンクリート造2階一部地下1階建、銅板葺、建築面積297平方メートル
所有者株式会社ヨネヤマ
公開状況一棟貸しの宿として営業。見学は不定期の館内ツアーなど

参考文献

旧加地邸(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011914
国登録有形文化財 葉山加地邸(公式サイト)
https://kachitei.link/
国登録有形文化財 葉山加地邸(観光かながわNOW・神奈川県観光協会)
https://kanagawa-kankou.or.jp/spot/7428

最終更新日: 2026.10.14