野村家住宅南石塀とは

野村家住宅南石塀は、高知県安芸郡奈半利町乙2578にある明治後期の石造の塀で、平成12年(2000年)10月18日に登録有形文化財となった。長さは25メートル、厚さ約40センチ、高さ1.6メートルである。

位置は敷地の南の辺で、隣の土地との境に沿って築かれている。文化庁の解説は、東石塀と同じくこの地方の「いしぐろ」と呼ばれる練塀としている。

野村家住宅南石塀は、道路に面して門を備えた東石塀とは役目が違う。屋敷の表構えではなく、敷地の境を示す塀である。

登録の理由と価値

野村家住宅南石塀の登録基準は「再現することが容易でないもの」である。

文化庁の解説が特に記すのは、この塀の小ささと飾り気のなさである。厚さ約40センチ、高さ1.6メートルという寸法は東石塀と同じで、ほかの箇所のいしぐろと比べるとやや小振りだという。塀の端も、加工した石で角を固めるのではなく、割石を積んで納めている。解説はこの納まりを素朴な趣と表現している。

家の正面を飾る塀には、端に切石の隅石を組んで角を立てるものがある。隣家との境に立つ野村家住宅南石塀は、そうした仕上げを省き、割石だけで端までを積み切っている。人目を意識しない場所にも同じいしぐろの技法で25メートルの塀を築いたこと自体が、明治後期の奈半利の屋敷構えを知る手がかりになる。

見どころ

割石で納めた端部

野村家住宅南石塀でまず見たいのは塀の端である。角に加工した大きな石を置かず、割石を積み重ねて端を立ち上げている。隅石で角を固めた塀と見比べると、同じいしぐろでも端の納め方に違いがあることが分かる。

東石塀との続き方

東石塀と南石塀は、寸法も年代も同じである。2つの塀は屋敷の東と南を合わせて48メートルほど囲み、門のある東側と、境を示す南側とで、同じ高さの石塀の役目が分かれている。

小振りな寸法

野村家住宅南石塀の高さ1.6メートルは、人の目の高さに近い。頂部の瓦葺の小屋根まで含めても見上げるほどの塀ではなく、境の目印として必要な高さに抑えた造りといえる。

見学方法

野村家住宅南石塀は隣の土地との境に立っているため、道路から見通せる範囲は限られるとみられる。東の道路から南の方向を見て、東石塀とつながる付近を確かめる程度にとどめ、隣の敷地には立ち入らないでほしい。

撮影についての公式の案内はない。塀の両側とも個人の土地とみられるので、通りから静かに見たい。奈半利駅からの行き方は、野村家住宅(奈半利町)のページにまとめてある。

Q&A

Q野村家住宅南石塀はどこにありますか?
A敷地の南の辺、隣の土地との境に沿って立っています。道路に面した東石塀とは違い、屋敷の境を示す塀です。
Q野村家住宅南石塀は道路から見られますか?
A隣の土地との境にあるため、道路から見通せる範囲は限られるとみられます。隣の敷地には入らないでください。
Q野村家住宅南石塀の大きさは?
A長さ25メートル、厚さ約40センチ、高さ1.6メートルです。文化庁の解説は、ほかの箇所のいしぐろよりやや小振りだとしています。
Q野村家住宅南石塀はいつ造られましたか?
A文化庁のデータベースでは明治後期とされています。東石塀と同じ時期で、大正11年(1922年)の主屋より古い塀です。
Q野村家住宅南石塀はなぜ登録有形文化財なのですか?
A「再現することが容易でないもの」として、平成12年(2000年)10月18日に登録されました。端部まで割石で積み上げた素朴な納まりのいしぐろとして評価されています。

基本情報

名称野村家住宅南石塀
所在地高知県安芸郡奈半利町乙2578
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成12年(2000年)10月18日登録
員数1棟
寸法石造、長さ25メートル、厚さ約40センチ、高さ1.6メートル
所有者不明(文化庁データベースの所有者欄は空欄)
公開状況公開の案内なし(隣地との境に立ち、道路から見える範囲は限られる)

参考文献

国指定文化財等データベース 野村家住宅南石塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001983
文化遺産オンライン 野村家住宅南石塀
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/181893
国指定文化財等データベース 野村家住宅東石塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001982
国登録有形文化財<建造物>【2/2 町村】(高知県)
https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/2024031100049/

最終更新日: 2026.10.16