練塀とは

練塀は、瓦と粘土を交互に積み重ねて壁体を築き、その上に瓦屋根を載せた塀である。「練り塀」とも書く。粘土だけで築く土塀に比べて、硬い瓦を層ごとに挟むことで崩れにくく、火にも強い壁になる。

仕上げには二つの型がある。一つは、瓦と粘土の層の上から表面全体を漆喰などで塗り込め、外からは平滑な白壁に見えるもの。もう一つは、瓦の小口を壁面に出し、瓦の黒と粘土や漆喰の目地とで横縞の模様を見せるものである。後者は外見で練塀と分かるが、前者は表面から構造を判断しにくい。

近い形式の築地塀は、土を突き固めたり、木の骨組みに土を塗ったりしてつくる土塀で、瓦を層に挟まない点で練塀と区別される。ただし、実際の名称では両者が混用されることが多い。

記録と実物で見分ける手がかり

登録有形文化財の記録では、「構造及び形式等」欄に「練塀、瓦葺、延長37.6m」のように書かれる。東京都台東区谷中の観音寺の塀は、名称を観音寺築地塀としながら、構造欄では練塀とされ、解説は瓦と粘土を交互に積み重ねたいわゆる練り塀と説明している。名称と構造が一致しない例として、記事では構造欄の記載を優先して読みたい。

練塀には地域ごとの仕様もある。岩村家住宅の瓦練塀の記録は、練塀の積土が薄く瓦が密な当地の仕様と書き、川原石を積んだ基礎の上に築くとする。郷屋敷(旧井上家住宅)の練塀は、安山岩系の石を精緻な乱石積とした基礎の上に、壁面を白漆喰塗で仕上げると記され、表面からは瓦の層が見えない型にあたる。

現地では、壁面に瓦の小口による横縞が見えるかを確かめる。表面が塗り込められている場合は、剥落した箇所や塀の端部の断面に瓦の層がのぞくことがある。

参考文献

観音寺築地塀|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/138831
岩村家住宅(旧黒岩家住宅)瓦練塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015098
郷屋敷(旧井上家住宅)東練塀|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002457

最終更新: 2026.09.26