土塀とは
土塀は、土を主な材料として築き、頂部に瓦などの小さな屋根を載せた塀である。土は雨に弱いため、上を屋根で覆い、表面を漆喰で塗り固めることが多い。屋敷や寺社、酒蔵などの敷地を囲み、通りに面して町並みの一部をなす。
築き方にはいくつかの型がある。土を突き固めたり塗り重ねたりした築地塀、瓦と粘土を交互に積む練塀は、どちらも土塀のうち構法で呼び分けられる形式である。記録で単に「土塀」とある場合は、柱を立てて土の壁を塗った塀や、石積の上に土の壁を立ち上げた塀を指していることが多い。
登録有形文化財の構造欄では「土塀、瓦葺、延長16m」のように、構造に続けて屋根の葺材と延長を記す。長崎県島原市の加藤酒造表土塀(大正期)は、切込み矧ぎの石積を高さ1.3〜1.7メートルに積み、その上に土塀を立ち上げて頂部に桟瓦葺の屋根を載せ、漆喰で塗り固めている。全体の高さは2.4〜3.4メートルある。同じ酒造の裏土塀も、石積の上を土塀とする同じつくりである。
見るときの手がかり
塀の頂部に瓦屋根が載り、壁面が土か漆喰で平滑に仕上げられていれば土塀の可能性が高い。板を張った板塀、煉瓦塀、コンクリートの塀とはこの点で区別できる。漆喰の剥がれた部分から土の層がのぞいていれば確かめられる。
柱の扱いにも違いがある。奈良県広陵町の松本家住宅の塀(昭和前期)は、延長27.1メートルの西面と11.6メートルの南面からなり、南面では柱を外に見せる。柱を壁に塗り込めて表に出さない塀と、柱を見せる塀があることになる。
築地塀や練塀との区別は、厚みと表面に表れる。築地塀は厚く量感があり、寺院では格式を示す白い横筋(定規筋)を入れるものがある。練塀には瓦の層を塗り込めずに横縞として見せるものがあり、外から判別できる。記事では、記録が築地塀・練塀と書いていればその語を使い、単に土塀とあれば土塀と書く。
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)加藤酒造表土塀
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007414
- 国指定文化財等データベース(文化庁)加藤酒造裏土塀
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007415
- 国指定文化財等データベース(文化庁)松本家住宅南屋敷南及び西面塀
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012005
最終更新: 2026.10.04