藤田家住宅土蔵(横大路)とは

藤田家住宅土蔵(ふじたけじゅうたくどぞう)は、京都市伏見区横大路草津町の藤田家住宅にある明治9年(1876年)建築の土蔵造2階建の蔵で、建築面積25平方メートル、平成10年(1998年)に登録有形文化財となった。

藤田家住宅土蔵は、屋敷地の西寄りに建つ小ぶりの蔵である。文化庁の解説によれば、この屋敷地はかつて桂川に通じていた。米問屋を営んだ家の敷地で、川の側に置かれた蔵ということになる。

上京区にも同じ名の「藤田家住宅土蔵」があるが、西陣の織屋の庭にある別の家の蔵である。

登録の理由と価値

藤田家住宅土蔵は、平成10年(1998年)12月11日に主屋とともに登録有形文化財に登録された。登録番号は26-0033、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説がこの蔵について強調するのは、単体の意匠よりも眺めの中での役割である。堤防の側から見ると、藤田家住宅土蔵は主屋と組になって伝統的な屋敷の構えを見せる。街道側の顔を主屋が受け持つのに対し、川側の顔をつくっているのがこの土蔵だといえる。

文化庁の記録では、藤田家住宅土蔵は主屋と同じ明治9年(1876年)の建築である。

見どころ

妻入と正面の庇

藤田家住宅土蔵は妻入で、屋根の三角形の妻側を正面にする。正面には庇が付き、戸口を雨から守る。小さな蔵が妻を見せて立つので、実際の規模よりも背が高く見える。

竪板張りの側面と背面

側面と背面の外壁は、縦に板を張った竪板張りである。土蔵の土壁を板で覆って風雨から守る仕上げで、川に近い屋敷らしい実用本位の外観になっている。白い漆喰の壁面を大きく見せる町なかの蔵とは、表情がだいぶ違う。

閉じた構え

開口部は出入口のほかに小窓が2か所あるだけで、文化庁の解説も閉鎖的な構えと表現している。屋根を支える小屋組には、斜めに架け渡した登梁が使われている。窓が少なく壁の面が大きいことが、この蔵の外観を引き締めている。

藤田家住宅土蔵の見学

藤田家住宅土蔵は個人の屋敷の中にあり、内部は公開されていない。見られるのは外観だけである。

文化庁の解説が勧める眺めは、堤防の側からのものである。堤防の側からは、藤田家住宅土蔵と主屋が並ぶ屋敷の裏側の構えを眺めることになる。どこまで細部が見えるかは季節の木々や塀の具合にも左右されるが、竪板張りの外壁と妻入の輪郭に注目したい。住まいの裏手にあたるので、見るのも撮影するのも公道からにとどめたい。

Q&A

Q藤田家住宅土蔵(伏見区横大路)はいつ建てられましたか?
A文化庁の記録では明治9年(1876年)の建築で、主屋と同じ年です。
Q藤田家住宅土蔵(伏見区横大路)は見学できますか?
A個人の屋敷の中にあるため非公開です。外観は堤防の側から見られます。
Q藤田家住宅土蔵のつくりの特徴は?
A妻入の土蔵造2階建で、正面に庇が付き、側面と背面は竪板張りです。出入口のほかに小窓が2か所あるだけの閉じた構えで、小屋組には登梁が使われています。
Q藤田家住宅土蔵が登録有形文化財になった理由は?
A登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。堤防の側から見ると、主屋とともに伝統的な屋敷の構えを見せる点が評価されています。
Q上京区の藤田家住宅土蔵とは同じものですか?
A別のものです。上京区の藤田家住宅土蔵は西陣の織屋の庭にあり、2015年に登録されました。

基本情報

名称藤田家住宅土蔵
所在地京都府京都市伏見区横大路草津町25-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積25平方メートル
所有者非公表(個人宅)
公開状況非公開(外観は堤防側から)

参考文献

国指定文化財等データベース 藤田家住宅土蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000987
藤田家住宅(京都登文会・京都府国登録文化財所有者の会)
https://www.kyoto-tobunkai.org/catalogue/47.html

最終更新日: 2026.09.27