樂家住宅窯場とは

樂家住宅窯場は、京都府京都市上京区油小路通一条下るの樂家の屋敷で本蔵の南西に接して建つ木造平屋建の作業棟で、赤樂窯と黒樂窯を内部に備え、明治前期の建築とされ、平成19年(2007年)5月15日に登録有形文化財(建造物)に登録された。

規模は桁行3間、梁間2間、建築面積は28平方メートル。屋根は入母屋造で、本蔵に接する北側だけを切妻造とし、桟瓦葺で葺いている。

文化庁の登録は明治前期の建築とするが、樂美術館は現在の樂家の建物を安政2年(1855年)の再建と紹介しており、年代の見方には幅がある。

樂家住宅窯場が登録された理由

樂家住宅窯場の登録基準は「再現することが容易でないもの」である。文化庁の解説は、この建物を貴重な窯を備えた陶芸施設のひとつと位置づけている。登録されているのは建屋だけではなく、構造形式の欄に「黒樂窯及び赤樂窯付」と明記され、窯そのものも登録の対象に含まれる。

樂美術館は、樂家の制作と焼成の方法は樂焼が始まったころとまったく変わっていないと説明し、樂家がこの地で窯の火を焚き続けてきたことを強調している。樂家住宅窯場は、その営みが実際に行われる場所である。

樂家住宅窯場の見どころ ― 赤樂窯と黒樂窯

樂家住宅窯場の内部には、性格の違う2基の窯が据えられている。北西には薪で焚く赤樂窯が置かれ、その上に煙を逃がす煙出しが屋根の上へ立ち上がる。東のほうには、本窯と呼ばれる小振りの黒樂窯がある。

赤と黒は樂茶碗の二つの基本の色で、それぞれ専用の窯で焼き分けられてきた。一つの小屋に2基が並ぶ姿は、樂焼が黒と赤の二系統の茶碗から成り立っていることを、そのまま建物の形にしたものといえる。

内部の壁と天井裏は土で塗り込められている。木造の建屋の中で火を扱うための備えで、窯の熱と火の粉から建物を守る役目を担う。外から見れば小さな瓦葺きの小屋だが、中は土で包まれた火の部屋になっている。

本蔵の南西に接し、少し離れた北西の隅には土をしまう土小屋が建つ。土を寝かせる小屋、焼く窯場、焼き上がった作品を納める蔵が、屋敷の奥のひと続きの区画に集まっている。

樂家住宅窯場の見学

樂家住宅窯場は屋敷の奥にあり、油小路通からは見えない。いまも使われている樂家の工房で、公開されていない。

この窯で焼かれてきた歴代の茶碗は、隣接する樂美術館で見られる。屋敷と美術館への行き方は樂家住宅のページにまとめた。

Q&A

Q樂家住宅窯場はどんな建物ですか?
A本蔵の南西に接して建つ木造平屋建の窯の建屋です。桁行3間・梁間2間、建築面積28平方メートルで、入母屋造(北側は切妻造)の桟瓦葺です。
Q樂家住宅窯場にはどんな窯がありますか?
A北西に薪で焚く赤樂窯があり、上に煙出しが立ちます。東のほうには本窯と呼ばれる小振りの黒樂窯があります。2基とも登録の対象に含まれています。
Q樂家住宅窯場はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A文化庁の登録では明治前期の建築です。樂美術館は現在の樂家の建物を安政2年(1855年)の再建としています。登録は平成19年(2007年)5月15日です。
Q樂家住宅窯場の内部が土で塗られているのはなぜですか?
A木造の建屋の中で窯の火を扱うため、壁と天井裏を土で塗り込めて熱や火の粉から建物を守っています。
Q樂家住宅窯場は見学できますか?
Aできません。現在も使われている樂家の工房で、屋敷の奥にあり通りからも見えません。作品は隣接する樂美術館で見られます。

基本情報

名称樂家住宅窯場
所在地京都府京都市上京区油小路通一条下る油橋詰町84
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)5月15日登録
員数1棟(黒樂窯及び赤樂窯付)
寸法桁行3間、梁間2間、建築面積28平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(敷地の内側にあり通りから見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)樂家住宅窯場
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006204
国指定文化財等データベース(文化庁)樂家住宅本蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006202
樂美術館 樂家
https://raku-yaki.or.jp/raku_family/index.html

最終更新日: 2026.09.26