雙栗神社玉垣 ― 本殿を囲む総延長44メートルの透塀
雙栗神社玉垣(さぐりじんじゃたまがき)は、京都府久世郡久御山町佐山の雙栗神社で本殿のまわりを囲む江戸時代後期(1751〜1830年頃)の木造の玉垣で、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された。
玉垣とは、神社の本殿を取り巻いて神域を区切る垣のことをいう。雙栗神社玉垣は本殿門の両脇から始まり、本殿の左右へ直角に折れて奥へのびる。東側は正面3間・側面8間、西側も正面3間・側面8間で、総延長は44メートル。上には瓦を葺いている。
囲まれている本殿は、明応3年(1494年)頃の建立とされる室町時代の三間社流造である。玉垣はその本殿と、正面の本殿門とを一続きにつなぎ、室町の社殿の外まわりを江戸時代の垣で整えた格好になっている。
登録の理由と価値 ― 1本の垣に2種類の透塀
雙栗神社玉垣の特色は、ひと続きの垣の途中で意匠を切り替えている点にある。正面と側面の前寄りの5間は、角材を縦に並べた角連子の透塀。後ろ寄りの6間は、先端をとがらせた板を並べた透塀になる。文化庁の解説は、この2つの形式を併用して変化をつけたところを評価している。
片側は正面3間と側面8間で合わせて11間。それが前の5間と後ろの6間とで表情を変える、という割り振りである。
登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。同じ日には、拝殿・本殿門・石鳥居もあわせて登録されている。
改修の経過にも触れておきたい。文化庁のデータベースは昭和36年(1961年)の改修を記録しており、京都府観光連盟の案内によれば、令和元年(2019年)には江戸時代後期の姿へ復元された。登録時の解説は、この復元より前の状態を記したものである。
雙栗神社玉垣の見どころ
雙栗神社玉垣では、正面の連子から、側面の尖った板へと意匠が替わる境目を探したい。連子の透塀は格子の奥に本殿を透かして見せ、板の透塀は先端の三角形が並んで、垣の上縁に細かなリズムをつくる。
本殿門と一体になって本殿を囲む構成も見ておきたい。門の左右から玉垣がのび、門と垣とで神域の輪を閉じている。
玉垣の内側は本殿を祀る神域で、中へ入って参拝することはできない。見学は玉垣の外からとなる。
雙栗神社玉垣の見学方法
雙栗神社玉垣は屋外にあり、外側から眺める形になる。正面の連子と側面の尖頭形の板とで意匠が替わるので、境内から見られる範囲で両方を見比べたい。撮影の可否について神社による公式の案内は確認できなかったので、撮る場合は参拝者の妨げにならないよう心がけたい。
境内への行き方と参拝の条件は、雙栗神社のページにまとめてある。
Q&A
- 雙栗神社玉垣とはどのようなものですか?
- 本殿のまわりを囲んで神域を区切る木造・瓦葺の垣で、総延長は44メートルあります。前寄りの5間を角連子の透塀、後ろ寄りの6間を先端のとがった板の透塀とし、2種類の形式を組み合わせています。
- 雙栗神社玉垣はいつ造られたのですか?
- 文化庁のデータベースでは江戸時代後期(1751〜1830年頃)とされ、昭和36年(1961年)の改修が記録されています。京都府観光連盟の案内では、令和元年(2019年)に江戸時代後期の姿へ復元されました。
- 雙栗神社玉垣の内側に入ることはできますか?
- できません。雙栗神社玉垣の内側は本殿を祀る神域で、見学は玉垣の外からになります。
- 雙栗神社玉垣の2種類の透塀はどこで切り替わりますか?
- 片側11間のうち、正面3間と側面の前寄り2間を合わせた5間が角連子の透塀、側面の後ろ寄り6間が先端をとがらせた板の透塀です。側面の途中で意匠が替わります。
- 雙栗神社玉垣はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録されました。文化庁の解説は、角連子と尖頭形の板という2つの透塀の形式を併用して変化をつけた点を評価しています。
基本情報
| 名称 | 雙栗神社玉垣(さぐりじんじゃたまがき) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府久世郡久御山町佐山双栗55 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成26年(2014年)4月25日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 総延長44メートル(木造、瓦葺) |
| 所有者 | 宗教法人雙栗神社 |
| 公開状況 | 外側から自由に見学可(境内は拝観料なし)。玉垣の内側には立ち入れない |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「雙栗神社玉垣」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009999
- 文化遺産オンライン「雙栗神社玉垣」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/271376
- 京都府観光連盟「延喜式内社雙栗神社」
- https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/382
- 久御山町ホームページ「雙栗神社」
- https://www.town.kumiyama.lg.jp/0000000333.html
- 神社本庁「雙栗神社」
- https://www.jinjahoncho.or.jp/sys/11076
最終更新日: 2026.09.25