雙栗神社本殿門 ― 極彩色で飾られた一間一戸の門

雙栗神社本殿門(さぐりじんじゃほんでんもん)は、京都府久世郡久御山町佐山の雙栗神社で拝殿と本殿の間に立つ江戸時代後期(1751〜1830年頃)の門で、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された。

正面・側面とも1間の小さな門で、間口は2.4メートル。屋根は切妻造の妻入で、瓦を葺く。前後2列の柱で1つの戸口をつくる一戸(いっこ)の門で、左右からは本殿を囲む玉垣がのびている。

門の奥に建つ本殿は、明応3年(1494年)頃の建立とされる室町時代の三間社流造で、昭和55年から56年(1980〜1981年)の修理で極彩色がよみがえった。雙栗神社本殿門は、その本殿を正面から守る位置に立ち、玉垣とともに本殿の神域の入口をかたちづくっている。

登録の理由と価値 ― 間口2.4メートルに集めた装飾

雙栗神社本殿門の柱は、頂部をすぼめた粽(ちまき)付きである。前列の柱は角に刻みを入れて面を取る几帳面取(きちょうめんとり)、後列は小さく面を落とすだけの小面取と、前後で仕上げを変えている。正面の柱間には両開きの格子戸を吊る。

組物は出三斗(でみつど)。梁にあたる虹梁と、柱から突き出した木鼻には極彩色が施され、文化庁の解説は多彩な装飾を華やかに凝らした門と記している。間口2.4メートルの小さな門に、これだけの意匠が集められているのが雙栗神社本殿門の持ち味である。

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、同じ日に拝殿・玉垣・石鳥居もあわせて登録された。

雙栗神社本殿門の見どころ

雙栗神社本殿門は、拝殿の中央を貫く馬道の正面に位置する。門を正面から見ると、前列の柱の角に刻まれた几帳面取がよくわかる。後列の柱と見比べれば、仕上げの違いは一目瞭然である。

次に見上げたいのが、虹梁と木鼻の彩色だ。極彩色の本殿を背にしたこの門は、本殿の手前で装飾の調子を先に示しているようにも見える。

格子戸の奥は玉垣に囲まれた本殿の神域で、門をくぐって中へ入ることはできない。

雙栗神社本殿門の見学方法

雙栗神社本殿門は屋外に立っており、拝殿の側から外観を眺める形になる。虹梁と木鼻の彩色は門の正面の高い位置にあるので、少し下がって見上げると全体の構成がつかみやすい。撮影の可否について神社による公式の案内は確認できなかったので、撮る場合は参拝者の妨げにならないよう心がけたい。

境内への行き方と参拝の条件は、雙栗神社のページにまとめてある。

Q&A

Q雙栗神社本殿門は境内のどこにありますか?
A拝殿と本殿の間に立っています。拝殿の中央の馬道の正面にあたり、門の左右からは本殿を囲む玉垣がのびています。
Q雙栗神社本殿門はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは江戸時代後期(1751〜1830年頃)とされています。平成26年(2014年)4月25日に登録有形文化財に登録されました。
Q雙栗神社本殿門の見どころは何ですか?
A極彩色の虹梁と木鼻、出三斗の組物、そして前列が几帳面取・後列が小面取と仕上げを変えた粽付きの柱です。間口2.4メートルの小さな門に装飾が凝縮されています。
Q雙栗神社本殿門をくぐって本殿まで行けますか?
A行けません。門の奥は玉垣に囲まれた本殿の神域で、見学は外からになります。
Q雙栗神社本殿門の柱の「粽」「几帳面取」とは何ですか?
A粽は柱の頂部をすぼめた形、几帳面取は柱の角に刻みを入れて面を取る仕上げです。雙栗神社本殿門では前列の柱を几帳面取、後列を小面取とし、前後で仕上げを変えています。

基本情報

名称雙栗神社本殿門(さぐりじんじゃほんでんもん)
所在地京都府久世郡久御山町佐山双栗55
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)4月25日登録
員数1棟
寸法正面1間・側面1間、間口2.4メートル(木造平屋建、瓦葺)
所有者宗教法人雙栗神社
公開状況外観は自由に見学可(境内は拝観料なし)。門の内側には立ち入れない

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「雙栗神社本殿門」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009998
文化遺産オンライン「雙栗神社本殿門」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/241765
久御山町ホームページ「雙栗神社」
https://www.town.kumiyama.lg.jp/0000000333.html
京都府観光連盟「延喜式内社雙栗神社」
https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/382
神社本庁「雙栗神社」
https://www.jinjahoncho.or.jp/sys/11076

最終更新日: 2026.09.25