海老喜旧醤油仕込蔵とは

海老喜旧醤油仕込蔵(海老喜ホール)(えびききゅうしょうゆしこみぐら)は、宮城県登米市登米町寺池三日町の醸造元・海老喜の敷地後方、南側の通り沿いに建つ明治25年(1892年)の土蔵で、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された。土蔵造の平屋で一部を2階建とし、瓦葺、建築面積は110平方メートル。昭和54年(1979年)に改修されている。登録番号は04-158である。

醤油の仕込みに使われた長大な蔵で、海老喜の蔵のなかではいちばん新しい。現在は「海老喜ホール」と呼ばれ、団体向けの食事の場として使われているのが海老喜旧醤油仕込蔵である。

棟梁・佐藤朝吉の腕を伝える蔵

文化庁は海老喜旧醤油仕込蔵を「造形の規範となっているもの」として登録有形文化財に登録した。解説はこの蔵を棟梁・佐藤朝吉(あさきち)の技量が発揮された建物とし、近代の登米地域における木造建築技術の水準を伝えるものと評している。

宮城県の説明によれば、佐藤朝吉は町内の旧登米高等尋常小学校校舎の建設でも棟梁を務めた大工である。同じ棟梁が手がけた建物が、学校と醸造蔵という異なる用途で同じ町に残っていることになる。海老喜旧醤油仕込蔵は、その棟梁の仕事を蔵の内側の構造で確かめられる建物である。

大梁の上に整然と架かる梁組

海老喜旧醤油仕込蔵は通りに東を向けて建つ。屋根は切妻造の桟瓦葺で、妻側を正面とする妻入である。

内部の見どころは小屋組にある。和小屋の構成をとりながら、太い大梁の上に、棟と同じ方向に通る桁行梁と、梁を三段に重ねた三重梁とを整然と架け渡している。文化庁の解説は、これを発達した構造と表現する。

海老喜の公式サイトは、扉を開けて中に入った人から歓声があがる蔵だと紹介している。長い蔵の奥まで梁組が整然と続く眺めが、その理由と見てよいだろう。

海老喜旧醤油仕込蔵(海老喜ホール)の見学

海老喜旧醤油仕込蔵は「海老喜ホール」として、団体専用・完全予約制の食事の場に使われている。海老喜の公式サイトでは、蔵の中で味噌アイスを味わう団体向けのプランを案内している。個人で立ち寄って中に入れる施設ではない。

海老喜旧醤油仕込蔵の外観は、敷地の南側の通りから見られる。通りに沿って延びる長い土蔵の壁面と、東を向いた妻側の姿を確かめたい。団体での利用や撮影の可否については、海老喜のフリーダイヤル0120-2015-77に問い合わせるとよい。

Q&A

Q海老喜旧醤油仕込蔵はいつ建てられましたか?
A海老喜旧醤油仕込蔵は明治25年(1892年)の建築で、昭和54年(1979年)に改修されています。平成30年(2018年)5月10日に登録有形文化財に登録されました。
Q海老喜旧醤油仕込蔵を建てた棟梁は誰ですか?
A棟梁は佐藤朝吉です。宮城県によると、町内の旧登米高等尋常小学校校舎の建設でも棟梁を務めました。
Q海老喜旧醤油仕込蔵の構造の見どころは何ですか?
A和小屋の構成で、大梁の上に桁行梁と三重梁を整然と架け渡した小屋組です。
Q海老喜旧醤油仕込蔵(海老喜ホール)は個人でも入れますか?
A海老喜ホールは団体専用・完全予約制の食事の場として使われており、個人で立ち寄って入ることはできません。外観は南側の通りから見られます。
Q海老喜旧醤油仕込蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A「造形の規範となっているもの」として登録されました。棟梁佐藤朝吉の技量を示し、近代の当地域の木造建築技術の水準を伝える点が評価されています。

基本情報

名称海老喜旧醤油仕込蔵(海老喜ホール)
所在地宮城県登米市登米町登米字寺池三日町22
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)5月10日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋一部2階建、瓦葺、建築面積110平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況外観のみ(内部は団体専用・完全予約制)

参考文献

海老喜旧醤油仕込蔵(海老喜ホール)(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012278
登録有形文化財(建造物)の登録が答申されました(宮城県)
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/bunkazai/touroku-kennzoubutu.html
教育委員会・文化財一覧(登米市)
https://www.city.tome.miyagi.jp/bunkazai/kurashi/kosodate/kyoikuinkai/shakaikyoiku/bunkazai.html
蔵の資料館(創業天保四年 海老喜)
https://ebiki.com/?mode=f3

最終更新日: 2026.09.29