定義如来西方寺御廟貞能堂とは
定義如来西方寺御廟貞能堂(じょうぎにょらいさいほうじ ごびょうさだよしどう)は、宮城県仙台市青葉区大倉の定義如来西方寺にある昭和2年(1927年)建立の六角堂で、平成30年(2018年)3月27日に登録有形文化財となった。木造平屋建で屋根は銅板葺、建築面積は165平方メートルある。
御廟貞能堂は、寺の開祖とされる平貞能(たいらのさだよし)の墓の上に建つと伝わる堂である。貞能が建久9年(1198年)に亡くなったのち、従臣が遺言に従って墓の上に小堂を建て、阿弥陀如来の画像を祀った。その小堂を起源とする堂が何度も手を加えられ、昭和2年に現在の六角堂の形に整えられた。
平成11年(1999年)に大本堂が完成するまで、定義如来西方寺御廟貞能堂は寺の本堂として本尊を安置し、日々の祈祷もここで行われていた。本尊が大本堂へ移ってからは「御廟貞能堂」として、貞能を偲び、写経をする堂になっている。
登録の理由と価値
定義如来西方寺御廟貞能堂の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁は、外部を中心に彫刻で飾った特色ある堂宇と評している。
評価のもう一つの柱は、古い堂を壊さずに受け継いだ点にある。寺には、本堂を建て替えてはならないという先代からの言い伝えがあった。そのため昭和2年の工事は建て替えではなく増築の形をとり、前身の堂の部材を一部そのまま使った。宮城県によると、堂内では以前の本堂の古い柱や梁が今も使われている。寺の説明では、昔の堂は茅葺の小さく質素な建物だった。
宮城県は細部の彫刻にも触れ、正面の向拝と、堂内の廻廊の正面脇に彫られた風神・雷神をとりわけ精緻なものとして挙げている。設計は気仙大工の花輪喜久蔵、棟梁は花輪伝吉、彫刻は石井寅正による。
六角堂と宝塔屋根の構成
定義如来西方寺御廟貞能堂の平面は、六角形の堂の背後に四角い裏堂が付く形である。裏堂は昭和43年(1968年)の増築で、正面から見ると六角堂の陰に隠れる。
屋根は六角形の堂に合わせて6方向へ流れる六注造で、頂上に小さな宝塔形の屋根を載せる。仙台市の解説では、屋根はもとは柿葺(こけらぶき)で、今は銅板で葺いている。六角堂のまわりには裳階のような低い屋根の付いた廻廊がめぐり、屋根が二重に重なって見える。
正面には、反りのある唐破風を正面に向けた向拝が張り出す。宮城県がとくに精緻と評するのがこの向拝の彫刻で、堂の外観でいちばん手の込んだ部分である。昭和32年(1957年)と昭和43年に改修を受けた。
定義如来西方寺御廟貞能堂の見学
定義如来西方寺御廟貞能堂は堂内に入って参拝できる。寺の英語の案内によると、堂に入って左手にある小さな祭壇が貞能の墓にあたる。堂内では写経ができ、寺の案内では受付は午前8時から午後4時までである。風神・雷神の彫刻は、廻廊の正面寄りの両脇で探すとよい。
外観は参道の突き当たりから正面に向き合うと、向拝の彫刻と六角の屋根、頂の宝塔の重なりが一度に見える。堂の脇へ回ると、六角堂の背後に付く裏堂との取り合いが分かる。
堂内の撮影について寺の公式の案内は見当たらない。参拝や写経をしている人がいるときは撮影を控え、撮りたい場合は寺務所に確かめたい。
Q&A
- 定義如来西方寺御廟貞能堂はいつ建てられたのですか?
- 現在の六角堂の形になったのは昭和2年(1927年)です。前身の堂の部材を一部再用しており、背後の裏堂は昭和43年(1968年)に増築されました。
- 定義如来西方寺御廟貞能堂は誰のお墓の上に建っているのですか?
- 寺の開祖とされる平貞能(たいらのさだよし)の墓の上に建つと伝わります。貞能は平重盛の重臣で、建久9年(1198年)に亡くなったとされます。
- 定義如来西方寺御廟貞能堂の中に入れますか?
- 入れます。堂内では参拝と写経ができ、寺の案内では写経の受付は午前8時から午後4時までです。
- 定義如来西方寺御廟貞能堂はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 外部を中心に彫刻で飾った特色ある六角堂で、「造形の規範となっているもの」として平成30年(2018年)3月27日に登録されました。古い本堂の柱や梁を受け継いでいる点も評価されています。
- 定義如来西方寺御廟貞能堂の彫刻はどこで見られますか?
- 正面の唐破風付きの向拝と、堂内の廻廊の正面脇にある風神・雷神の彫刻がとくに精緻です。
基本情報
| 名称 | 定義如来西方寺御廟貞能堂 |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県仙台市青葉区大倉字上下1(定義如来西方寺境内) |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成30年(2018年)3月27日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積165㎡(木造平屋建、銅板葺) |
| 所有者 | 西方寺(宗教法人) |
| 公開状況 | 堂内で参拝・写経可(貞能堂境内の開門は午前8時〜午後4時15分) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 定義如来西方寺御廟貞能堂(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012087
- 文化遺産オンライン 定義如来西方寺御廟貞能堂
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/428116
- 仙台市の指定・登録文化財 定義如来西方寺御廟貞能堂(仙台市教育委員会)
- https://bunkazai.city.sendai.jp/shiteidb/c03039.html
- 宮城県 登録有形文化財(建造物)の登録が答申されました(2017年11月22日)
- https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/bunkazai/touroku171122.html
- 定義如来西方寺 定義さんを巡る(境内のご案内)
- https://jogi.jp/meguru/
- 定義如来西方寺 英語版サイト
- https://jogi.jp/en/
最終更新日: 2026.10.04