銅板葺とは

銅板葺は、薄く延ばした銅の板で屋根を葺く方法である。板を一定の大きさに切って、端を折り曲げて互いにかみ合わせながら葺いていく。瓦に比べて軽く、曲面にも沿わせやすく、耐久性も高い。葺いたばかりの銅板は赤みのある金属色だが、年月とともに表面に緑青が生じ、落ち着いた緑色へと変わっていく。

社寺の本殿や門の屋根、軒唐破風などの曲線の多い部分、庇、小さな手水舎などに多く用いられる。もとは檜皮葺や柿葺であった屋根を、維持のために銅板葺に改めた例も少なくない。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「銅板葺」として、屋根全体や一部の部位について書かれる。大阪府貝塚市の感田神社神輿蔵は、切妻造妻入本瓦葺の土蔵造の蔵で、正面に銅板葺の唐破風を付けて印象的な意匠にまとめる。滋賀県近江八幡市の観音正寺手水舎は、切妻造銅板葺の小さな手水舎である。愛媛県松山市の旧鈴木家住宅離れは、切妻造桟瓦葺の茶室付きの離れで、西面の落縁に銅板葺の庇を付ける。

屋根の葺材は修理で改められることが多い。記事では、記録の年代と現状を照らし合わせ、当初からの葺材か、後の葺き替えかに注意したい。現地では、屋根の色が緑青色か、赤銅色かで葺き替えの時期の見当がつくこともある。

参考文献

感田神社神輿蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007390
観音正寺手水舎|文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/520194
旧鈴木家住宅離れ|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013893

最終更新: 2026.09.27