茶房の入口になる穴門形式の門

山田酒店(茶房長谷路)庭門は、奈良県桜井市初瀬の長谷寺参道沿いにある山田酒店の塀に開く、大正初期の木造の庭門で、平成12年(2000年)12月4日に国の登録有形文化財に登録された。間口は1.5メートルで、袖塀と西塀が附属する。

文化庁の解説によれば、山田酒店(茶房長谷路)庭門は穴門形式の門で、茶房の出入口になっている。参道を歩いてきた人が中庭と茶房へ入るのは、この門からである。位置は茶室のすぐ脇で、敷地の南側を区切る塀の中ほどにあたる。

文化庁のデータベースは建築年代を大正初期とし、西暦の幅を1912年から1925年としている。塀の解説では、山田酒店(茶房長谷路)庭門を茶房座敷・茶室・塀とともに、登録当時の所有者の祖父、山田新の設計としている。

塀から引いて建つ門とくの字の袖塀

山田酒店(茶房長谷路)庭門は、外塀の線にそろえて建っていない。塀からやや奥に引いた位置に門を据え、その左右にくの字型に折れた袖塀を建てている。

袖塀の仕上げは、腰を板張とし、その上を鼠漆喰で塗り、桟瓦葺の屋根を載せる。腰の板と灰色の漆喰という組み合わせは、敷地の南を区切る塀とそろえてある。

門が奥へ引き、袖塀が折れて門へ向かうので、参道から見ると、塀のなかほどに小さな引き込みができる。

参道に差し出す銅板葺の庇

山田酒店(茶房長谷路)庭門のもう一つの特徴は、通りに面して銅板葺の庇をかけていることである。桟瓦葺の袖塀の屋根に対して、門の前だけに金属板の庇が付く。

文化庁は、この庇を含めて庭門が特徴的な形式をもつと評している。門の前だけ素材の違う庇が付くので、長い塀のなかで入口の位置がはっきりする。登録番号は29-0043、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁のデータベースは門の形式を木造の平重門と記し、屋根を瓦葺としている。

山田酒店(茶房長谷路)庭門の見学

山田酒店(茶房長谷路)庭門は参道に面しているので、茶房の営業日に限らず外側から見ることができる。塀の線から門が引いている様子と袖塀の折れ方は、門の正面より少し斜めに立つと読み取りやすい。銅板葺の庇は見上げて確かめたい。

門をくぐって中へ入るのは、茶房長谷路を利用するときである。桜井市観光協会の案内では営業は午前11時からで、定休日は決まっていない。参道から写真を撮るときは、門の前をふさいで出入りする客や通行の妨げにならないよう気をつけたい。

Q&A

Q山田酒店(茶房長谷路)庭門は何に使われている門ですか?
A茶房長谷路の出入口です。参道から中庭と茶房へ入るときにこの門を通ります。
Q山田酒店(茶房長谷路)庭門の特徴は何ですか?
A外塀からやや奥に引いて建ち、左右にくの字型の袖塀を備えます。通りに面して銅板葺の庇をかけています。
Q山田酒店(茶房長谷路)庭門はいつ建てられましたか?
A大正初期です。文化庁のデータベースは西暦の幅を1912年から1925年としています。
Q山田酒店(茶房長谷路)庭門の大きさは?
A間口は1.5メートルです。登録には袖塀と西塀が附属として含まれています。
Q山田酒店(茶房長谷路)庭門は営業時間外でも見られますか?
A参道に面しているので、外側はいつでも見られます。門の中へ入るのは茶房の営業時に客として利用するときです。

基本情報

名称山田酒店(茶房長谷路)庭門(やまださけてん(さぼうはせじ)にわもん)
所在地奈良県桜井市初瀬857
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号29-0043
指定年平成12年(2000年)12月4日登録
員数1棟
寸法木造、瓦葺、間口1.5メートル、袖塀及び西塀附属
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況外観は参道から見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):山田酒店(茶房長谷路)庭門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002085
国指定文化財等データベース(文化庁):山田酒店(茶房長谷路)塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002086
桜井市観光協会:長谷路
https://sakuraikanko.com/eat/%e9%95%b7%e8%b0%b7%e8%b7%af/

最終更新日: 2026.09.28