腰板とは

腰板は、壁の下部(腰)に張る板である。壁の足元は、雨の跳ね返りを受けたり、人や物がぶつかったりして傷みやすい。そこに板を張って、上部の漆喰や土の壁を守る。建物の外壁にも内壁にも用いられる。

腰板の張り方にはいくつかの型がある。板を横に羽重ねに張る下見板張、横板を縦の押縁で押さえる簓子下見、板を一枚おきに表裏を違えて張る大和張、縦に張る竪板張などがあり、材料として表面を焼いた焼杉を用いることもある。記録では、腰板の張り方を具体的に書くことが多い。

近代の学校や官公庁の建物では、廊下や教室の内壁の下部に腰板を張り、上部を漆喰や板張りとする仕上げが広く見られる。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、「腰板壁」「腰板を張る」のほか、張り方を示して書かれる。秋田県由利本荘市の旧鮎川小学校北校舎棟は、北側廊下に面した教室の壁を、両端を出入口とし、そのあいだを腰板壁と引違窓とする。長い廊下に木製建具が続く穏やかな空間とされる。岐阜県下呂市の須賀家住宅北蔵は、土蔵造2階建の蔵で、一階に簓子下見の腰板を張った白漆喰仕上げとする。奈良県橿原市の瑞穂酢(大西家住宅)の門屋は、真壁造で腰板を大和張とし、ガラス戸を用いるなど近代的な意匠とされる。

現地では、壁の下部に上部と異なる仕上げの板が張られているかを見る。板の向きや重ね方から、張り方の種類を読み取ることができる。

参考文献

旧鮎川小学校北校舎棟|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009119
須賀家住宅北蔵|文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/218839
瑞穂酢(大西家住宅)門屋及び中門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014519

最終更新: 2026.09.27