健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿とは:五束の社の境内に建つ室町の小社

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿(たけみなかたとみのみことひこかみわけじんじゃまっしゃわかみやはちまんじんじゃほんでん)は、長野県飯山市大字豊田の健御名方富命彦神別神社の境内に建つ室町時代の一間社流造の本殿で、昭和27年(1952年)7月19日に重要文化財に指定された。

長野県神社庁によると、若宮八幡社は健御名方富命彦神別神社の境内社で、大鷦鷯尊(おおさざきのみこと、仁徳天皇)をまつる。本社は飯山市豊田の太田地区、五束(ごそく)に鎮座し、飯山市は健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿をこの地区の文化財として挙げている。

文化庁の記録では、形式は一間社流造、屋根はとち葺である。とち葺は、こけら葺よりも厚い板を重ねて葺く板葺の一種で、雪の多い北信の小社にふさわしい重い屋根になる。

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿の建立年代:二つの見解

建立年代には二つの見方がある。文化庁は時代を室町中期とし、西暦で1393年から1466年の幅を示している。

一方、飯山市は、昭和48・49年(1973年・1974年)の解体再建工事で過去に解体された跡が見つからなかったことを踏まえ、文明元年から8年(1469年から1476年)ごろに尾崎政重が建てたとする説を現在の定説として紹介している。飯山市の説明では、政重は当社の北約300メートルに万用山東源寺を建てて隠居し、その周辺に八幡の社を建てたとも考えられるという。

文化庁の示す年代幅と飯山市の説とは重ならず、正確な建立年は確定していない。本文では両方を併記しておく。

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿が重要文化財である理由

飯山市の解説によると、健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿は素木造りの純和様の建築である。向拝の柱や舟肘木の面取りの程度、細長い舟肘木につけられた曲線、扉まわりの幣軸の断面の形式、さらに虹梁・垂木・破風・懸魚・桁隠の形式が、室町時代の特徴をよく示している。

細部がそれぞれ時代の特徴を備えながら、全体はすっきりとした意匠にまとまっている。清楚な姿と、細部までよく残る保存状態が、北信地方の貴重な遺構として評価されている。

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿の見どころ:小さな社殿の細部

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿は、正面の柱間が1間の小さな社殿である。飯山市によると、桁行(正面)186センチメートル、梁行(側面)141センチメートルで、向拝の出122センチメートルを加えた奥行は261センチメートルになる。

社殿の前に立ったら、まず向拝の柱の角を見たい。面取りの幅と、柱の上で桁を受ける細長い舟肘木の反りが、室町の手法を示す部分として挙げられている。側面に回ると、破風の先に下がる懸魚と、桁の端を隠す桁隠の形も確かめられる。

彩色を施さない素木の仕上げのため、木の面の取り方や部材の線がそのまま見える。屋根のとち葺の厚みも、軒先で確かめておきたい。

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿の見学方法

健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿は健御名方富命彦神別神社の境内にある。信州いいやま観光局は神社の所在地を飯山市豊田太田五束としており、問い合わせ先に信越自然郷飯山駅観光案内所(0269-62-7000)を挙げている。

見学の時間や料金、内部公開について、公的な案内は見当たらなかった。社殿の内部は、神社の祭祀の場であることに留意したい。長野県神社庁によると、本社の例祭日は9月23日(秋分の日)で、前日に夜祭礼がある。

Q&A

Q健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿はいつ建てられたのですか?
A文化庁は室町中期(1393年から1466年)としています。飯山市は、解体再建工事の成果から文明元年から8年(1469年から1476年)ごろに尾崎政重が建てたとする説を紹介しています。
Q健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿はいつ重要文化財に指定されましたか?
A昭和27年(1952年)7月19日に国の重要文化財に指定されました。
Q健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿の屋根は何葺ですか?
A文化庁の記録ではとち葺です。形式は一間社流造です。
Q健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿の大きさは?
A飯山市によると、桁行186センチメートル、梁行141センチメートル、向拝を含めた奥行は261センチメートルです。
Q健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿には何がまつられていますか?
A長野県神社庁によると、境内社の若宮八幡社には大鷦鷯尊(仁徳天皇)がまつられています。

基本情報

名称健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿(たけみなかたとみのみことひこかみわけじんじゃまっしゃわかみやはちまんじんじゃほんでん)
所在地長野県飯山市大字豊田(健御名方富命彦神別神社境内)
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和27年(1952年)7月19日指定
員数1棟
寸法一間社流造、とち葺。桁行186センチメートル、梁行141センチメートル、奥行261センチメートル
所有者健御名方富命彦神別神社
公開状況境内に所在。見学条件の公的な案内は見当たらない

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「健御名方富命彦神別神社末社若宮八幡神社本殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/961
飯山市「国指定文化財」
https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shimingakusyuusien/bunkazai/sitei_bunkazai/46251
飯山市「指定文化財リスト」
https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shimingakusyuusien/bunkazai/sitei_bunkazai/46260
長野県神社庁「健御名方富命彦神別神社」
https://www.nagano-jinjacho.jp/shibu/01hokusin/01hansui/takeminato.htm
信州いいやま観光局「健御名方富命彦神別神社」
https://www.iiyama-ouendan.net/tourism/takemina/

最終更新日: 2026.09.27