山田旅館浴室とは
山田旅館浴室は、長野県北安曇郡小谷村の小谷温泉にある大正15年(1926年)に改築された木造2階建の湯殿で、平成13年(2001年)10月12日に国の登録有形文化財に登録された。登録番号は20-0094。
屋根は切妻造の鉄板葺で、建築面積は96平方メートル。宿は山田旅館浴室を「元湯の湯殿」と呼び、旅館の中心に位置する浴室として、元湯の源泉を注ぐ湯船をいまも毎日使っている。
登録の理由:露天風呂の上屋から、洋風の湯殿へ
山田旅館浴室の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説によると、山田旅館浴室は長屋の西の妻面に接続し、西に建つ新館のほうへ向けて建つ。
解説は、この建物のはじまりにも触れている。最初は露天の湯船を覆うだけの簡素な上屋だった。それを大正15年(1926年)に改築し、浴室の内部を洋風に造り替えたのが現在の建物である。湯に屋根を架けただけの小屋が、湯治客を迎える2階建の湯殿に変わった経緯を、文化庁の記録がそのまま伝えている。
外観は切妻造の2階建で、東隣の長屋よりも背が高い。長屋・浴室・新館が一続きに並ぶ姿を、文化庁は温泉街のような町並みをつくり出していると評価する。山田旅館浴室は、低い長屋と総3階建の新館のあいだに立ち、並びの高さを段々に上げていく位置にある。
見どころ:滝のように落ちる湯と、欅の観音開き
宿によると、山田旅館浴室の浴槽は100年以上変わらずに使われてきたもので、大正ロマンを感じさせる意匠をもつ。源泉は約2メートルの高さから滝のように落とされ、打たせ湯として浴びることができる。寝湯や浮遊浴、湯気を吸い込む吸入療法もできると宿は案内している。
湯殿の入口には欅の観音開の扉が付き、これも建てられた当時のままだと宿は説明する。湯に入る前に、左右に開く欅の扉の木目を見ておきたい。
湯は元湯の自家源泉で、加水も加温もせずに注がれる。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉である。
令和3年(2021年)には、小谷の大工である徳武棟梁の手で山田旅館浴室の改装が行われた。脱衣室は格天井を張った畳敷きの和の空間になり、2階には大きな梁を見せる多目的ルームが設けられた。宿は、この部屋をワーケーションにも使えると案内している。
山田旅館浴室の見学条件
山田旅館浴室の内部に入れるのは、宿泊客と日帰り入浴の客である。宿泊客は清掃の時間を除いて24時間入浴でき、年中無休で使える。日帰りの場合、元湯の湯殿は通年で午前11時から午後3時まで利用でき、料金は大人700円、子供400円、受付は午後2時30分までとなっている。冬期に外湯が閉じられたあとも、山田旅館浴室は日帰りで入れる。見学だけを目的とした立ち入りの案内はない。
浴室は広くないので、混み合う時間を避けてゆっくり入ってほしいと宿は呼びかけている。ほかの客が入浴している浴室での撮影は控え、撮影したい場合は宿に確かめてほしい。山田旅館浴室の外観は、長屋と新館にはさまれた並びとして敷地内から見ることができる(2026年10月9日確認)。
Q&A
- 山田旅館浴室はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
- 山田旅館浴室は大正15年(1926年)に現在の形に改築されました。登録有形文化財への登録は平成13年(2001年)10月12日で、登録番号は20-0094です。
- 山田旅館浴室はもともとどんな建物だったのですか?
- 文化庁の解説によると、最初は露天の湯船を覆うだけの簡素な上屋でした。大正15年(1926年)に改築され、浴室の内部が洋風に造られました。
- 山田旅館浴室には日帰りで入れますか?時間と料金は?
- 入れます。元湯の湯殿は通年で午前11時から午後3時まで利用でき、料金は大人700円、子供400円です。受付は午後2時30分までです。料金と時間は変わることがあるため、訪問前に宿へ確認してください。
- 山田旅館浴室のお湯にはどんな特徴がありますか?
- 元湯の自家源泉を加水も加温もせずに注いでいます。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、約2メートルの高さから落ちる打たせ湯があります。
- 山田旅館浴室は撮影できますか?
- ほかの客が入浴している浴室での撮影は控えてください。撮影の決まりは公式サイトに記載がないため、撮影したい場合は宿に確認してください。
基本情報
| 名称 | 山田旅館浴室(やまだりょかんよくしつ) |
|---|---|
| 所在地 | 長野県北安曇郡小谷村大字中土18836 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成13年(2001年)10月12日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、鉄板葺、建築面積96平方メートル |
| 所有者 | 株式会社山田旅館 |
| 公開状況 | 営業中の旅館の湯殿。宿泊客と日帰り入浴客が利用可(日帰りは午前11時〜午後3時) |
参考文献
- 山田旅館浴室(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002389
- 山田旅館浴室(文化遺産オンライン)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/193389
- 小谷温泉 国民保養温泉地計画書(環境省、令和2年9月)
- https://www.env.go.jp/nature/onsen/area/pdf/hoyo_068.pdf
- 建物(小谷温泉 大湯元 山田旅館 公式サイト)
- https://otari-onsen.net/index.php?%E5%BB%BA%E7%89%A9
- 湯殿(小谷温泉 大湯元 山田旅館 公式サイト)
- https://otari-onsen.net/index.php?%E6%B9%AF%E6%AE%BF
- 日帰り入浴 立ち寄り湯(小谷温泉 大湯元 山田旅館 公式サイト)
- https://otari-onsen.net/index.php?%E6%97%A5%E5%B8%B0%E3%82%8A%E5%85%A5%E6%B5%B4%E3%80%80%E7%AB%8B%E3%81%A1%E5%AF%84%E3%82%8A%E6%B9%AF
- お部屋と料金(小谷温泉 大湯元 山田旅館 公式サイト)
- https://otari-onsen.net/index.php?%E3%81%8A%E9%83%A8%E5%B1%8B
最終更新日: 2026.10.08