欅とは

欅は、ニレ科の落葉高木で、またその材をいう。片仮名でケヤキとも書く。材は硬く粘りがあり、木目が大きく美しいため、古くから建築や家具、器物に用いられてきた。

建築では、社寺の柱や梁、門の扉や柱、縁側の縁板、床の間の床板や床框などの化粧材に広く使われる。幅の広い一枚板を得られる大木は貴重で、欅の大板を用いることは普請の質の高さを示す。一方で、乾燥によって狂いが出やすく、扱いには熟練を要するとされる。大きく育った欅の木そのものが、天然記念物に指定されている例もある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、欅を用いた部位が書かれる。岡山県早島町の溝手家住宅新座敷は、四畳半台目の茶室と床棚書院を備えた八畳座敷からなる客用の離れで、西から南へ欅の大板を張った縁を回す、良質な数寄屋普請とされる。福井県鯖江市の齋藤家住宅東門は、賓客を迎えるための控柱付の腕木門で、主要材にケヤキを用い、扉を八双金物などの飾金物で飾る。埼玉県深谷市の大谷家住宅には、欅の名を冠した欅空庵という建物がある。

現地では、木部の木目を見る。大きく波打つような明瞭な木目と、赤みを帯びた褐色の色合いが欅の特徴である。

参考文献

溝手家住宅新座敷|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013635
齋藤家住宅東門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011298
大谷家住宅欅空庵|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003841
原町の大ケヤキ|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/537

最終更新: 2026.09.27