今里酒造中蔵とは
今里酒造中蔵は、長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷にある江戸時代後期の木造2階建の酒蔵で、平成18年(2006年)3月2日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「いまざとしゅぞうなかぐら」である。
今里酒造の蔵の並びでは、東の本蔵と西の新蔵のあいだに位置する。文化庁の解説は、今里酒造中蔵を本蔵とともに創業時に近い酒造施設とみている。年代は江戸時代後期で、文化庁の示す幅では1751年から1829年にあたる。
明治12年の大火を免れた蔵
宿郷の町は明治12年(1879年)に大火に遭った。文化庁の解説は、今里酒造中蔵がこの大火でも焼けずに残ったことをわざわざ書き添えている。長崎県の文化財データベースも、今里酒造の建物群は罹災を免れ、往時の様子をよくとどめる醸造建築として保存されてきたと記す。
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、登録番号は42-0052。創業期に近い酒蔵が火災を越え、いまも酒造りの場の一角を占めていること。今里酒造中蔵の価値はそこにある。
本蔵とのあいだの2間幅の通路
今里酒造中蔵は、本蔵の西に並列して建つ。規模は桁行12間(約22メートル)、梁間4間半(約8メートル)の切妻造2階建で、屋根は瓦葺、建築面積は319平方メートル。長さは本蔵と同じ12間、幅は本蔵より1間半狭い。2階が中央部だけの本蔵に対し、こちらは2階建として記録されている。
注目したいのは東側である。本蔵とのあいだには2間(約3.6メートル)幅の通路があり、今里酒造中蔵は東面の屋根をそのまま葺き下ろして、この通路の上を覆っている。並んだ二つの蔵のすきまを、屋根の下に取り込んだつくりである。
小屋組は、二重梁と登り梁を交互に用いて組む。2間ごとに二重梁を架けてそのあいだに登り梁を入れる本蔵とは、梁の配り方が異なる。
今里酒造中蔵を見るには
今里酒造中蔵の内部は公開されていない。本蔵とのあいだの通路も小屋組も敷地の奥にあり、ふだん見ることはできない。年に一度の蔵開きで敷地が開放されても、中蔵の中や通路まで入れるかどうかは公表されていない。
今里酒造中蔵の南の妻面には製品置き場が接しているので、南から見ると中蔵の妻の手前に小さな2階建が重なる。撮影の可否は公式に案内されていないため、蔵開きの日にはその場で確かめたい。
Q&A
- 今里酒造中蔵はいつ建てられましたか?
- 文化庁は江戸時代後期(1751年から1829年の幅)としており、本蔵とともに創業時に近い酒造施設とみています。具体的な建築年は示されていません。
- 今里酒造中蔵は明治12年の大火で焼けなかったのですか?
- 文化庁の解説によれば、明治12年(1879年)の大火でも焼失を免れています。
- 今里酒造中蔵と本蔵のあいだの通路とは何ですか?
- 2間(約3.6メートル)幅の通路で、今里酒造中蔵の東面の屋根を葺き下ろして上を覆っています。
- 今里酒造中蔵の大きさはどのくらいですか?
- 桁行12間(約22メートル)、梁間4間半(約8メートル)の切妻造2階建で、建築面積は319平方メートルです。
- 今里酒造中蔵の中を見学できますか?
- 内部は公開されていません。年に一度の蔵開きで敷地は開放されますが、中蔵の中や本蔵とのあいだの通路に入れるかは公表されていません。
基本情報
| 名称 | 今里酒造中蔵(いまざとしゅぞうなかぐら) |
|---|---|
| 所在地 | 長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷596 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成18年(2006年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積319平方メートル/桁行12間、梁間4間半 |
| 所有者 | 国指定文化財等データベースに記載なし(今里酒造株式会社の敷地内) |
| 公開状況 | 内部は非公開(年1回の蔵開きの日に敷地を開放) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):今里酒造中蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005384
- 長崎県文化財データベース:今里酒造(店舗及び住宅、本蔵、中蔵、新蔵、洗い場、製品置き場)
- https://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/index.php/view/419
- 波佐見町:国登録有形文化財
- https://www.town.hasami.lg.jp/kiji0031441/index.html
最終更新日: 2026.10.06