今里酒造新蔵とは
今里酒造新蔵は、長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷にある昭和初期の木造2階建の酒蔵で、平成18年(2006年)3月2日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「いまざとしゅぞうしんぐら」である。
中蔵の西に接し、南北に棟を通して建つ。所在地は宿郷641で、ほかの5棟の宿郷596とは地番が分かれている。文化庁の解説は今里酒造新蔵を、この酒造場で最も規模が大きく建ちも高い建物と記し、長崎県の文化財データベースも最大の建物に挙げる。東面の南寄りには製品置き場が接している。
桁行18間の総2階建と4重梁
規模は桁行18間(約33メートル)、梁間6間(約11メートル)。中央部だけを2階とする本蔵と違い、全体を2階とした総2階建で、屋根は瓦葺、建築面積は491平方メートルある。
棟の真下の通りには3間(約5.5メートル)ごとに丸柱を立て、小屋組は梁を4段に重ねた4重梁で組む。幅6間の大屋根を、棟通りに並ぶ丸柱と重ねた梁とで受けるつくりである。
一棟だけの寄棟造と、解体材の伝え
今里酒造の蔵はほかがすべて切妻造で、今里酒造新蔵だけが寄棟造で建つ。文化庁は、規模の大きさと建ちの高さに加え、この屋根の違いによって今里酒造新蔵が群のなかで際立つと評している。
文化庁の解説には、酒蔵の解体材を用いて建てたと伝える、という一文もある。断定ではなく伝えとして記されたもので、どこの蔵の材か、いつ解体されたものかは書かれていない。
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は42-0053である。江戸時代後期の本蔵・中蔵の西に、昭和初期になってこの大きな蔵が加わり、今里酒造の蔵の並びは西へ延びた。
今里酒造新蔵を見るには
今里酒造新蔵の内部は公開されておらず、丸柱や4重梁の小屋組を見られる常設の機会はない。年に一度の蔵開きで敷地は開放されるが、新蔵の中まで入れるかどうかは公表されていない。
外から見るときは、屋根の形に目を向けたい。妻の三角を見せる切妻の蔵に対し、四方へ流れ下る寄棟の輪郭が今里酒造新蔵の目印になる。ただし、どの道からどの程度見えるかは確認できていない。撮影の可否も公式には案内されていない。
Q&A
- 今里酒造新蔵はほかの蔵とどこが違いますか?
- 敷地で最も規模が大きく建ちも高いこと、全体を2階とする総2階建であること、ほかの蔵が切妻造なのに対して一棟だけ寄棟造であることです。
- 今里酒造新蔵はいつ建てられましたか?
- 文化庁は昭和初期としており、具体的な建築年は示していません。
- 今里酒造新蔵は古い蔵の材で建てられたのですか?
- 文化庁の解説は、酒蔵の解体材を用いて建てたと伝える、と記しています。伝えとしての記述で、どの蔵の材かは分かっていません。
- 今里酒造新蔵の大きさと構造はどのようなものですか?
- 桁行18間(約33メートル)、梁間6間(約11メートル)の総2階建で、建築面積は491平方メートルです。棟通りに3間ごとに丸柱を立て、4重梁で小屋を組んでいます。
- 今里酒造新蔵の中を見学できますか?
- 内部は公開されていません。年に一度の蔵開きで敷地は開放されますが、新蔵の中に入れるかは公表されていません。
基本情報
| 名称 | 今里酒造新蔵(いまざとしゅぞうしんぐら) |
|---|---|
| 所在地 | 長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷641 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成18年(2006年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積491平方メートル/桁行18間、梁間6間 |
| 所有者 | 国指定文化財等データベースに記載なし(今里酒造株式会社の敷地内) |
| 公開状況 | 内部は非公開(年1回の蔵開きの日に敷地を開放) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):今里酒造新蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005385
- 長崎県文化財データベース:今里酒造(店舗及び住宅、本蔵、中蔵、新蔵、洗い場、製品置き場)
- https://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/index.php/view/419
- 波佐見町:国登録有形文化財
- https://www.town.hasami.lg.jp/kiji0031441/index.html
最終更新日: 2026.10.06