高田別院鐘楼とは

高田別院鐘楼は、新潟県上越市寺町二丁目の真宗大谷派高田別院で本堂の南東に建つ文化3年(1806年)の木造の鐘楼で、平成18年(2006年)に改修され、平成27年(2015年)に国の登録有形文化財に登録された。面積は18平方メートル、屋根は銅板葺である。

建築年は資料によって異なる。文化庁のデータベースは文化3年(1806年)とするが、高田別院の紹介文は文政元年(1818年)の建立、別院の年表は天保9年(1838年)の再建と記している。本記事は文化庁のデータベースに従った。

四方吹放ちの鐘楼と二手先の詰組

高田別院鐘楼は、柱間1間四方の小さな建物で、壁を張らずに四方を吹き放しにした鐘楼である。屋根は入母屋造の銅板葺になる。

足元から順に見ていくと、造りの手の込み方がよく分かる。基壇は石を隙間なく加工して積んだ切込接の石積で、その上の礎盤に、上下の端をすぼめた粽付きの丸柱が立つ。柱は腰貫・飛貫・頭貫の3段の貫で固められ、頭には台輪が廻る。

台輪の上には、尾垂木の付いた二手先の組物が並ぶ。柱の上だけでなく柱と柱の間にも組物を置く詰組で、軒下が組物で埋まって見える。頭貫の下には彫刻を施した欄間がはめ込まれている。

天明3年の梵鐘と戦時の供出

高田別院鐘楼に吊られた梵鐘は、登録の対象ではないが、別院が大切に語り伝える鐘である。別院の紹介文によると、天明3年(1783年)に三和村の門徒、宮崎勘助の寄進で造られた重さ480貫(約1.8トン)の大鐘で、かつては城下に時を知らせていた。

昭和19年(1944年)、鐘は戦時の金属供出で持ち去られた。上越から大鐘の音が消えたと思われたが、翌昭和20年(1945年)8月に埼玉県で傷ひとつない状態で見つかり、当時の別院の筆頭総代、廣瀬収造の尽力で戻ってきたと別院は伝える。

現在は8月6日の早朝に「不戦平和の誓いの鐘」、12月31日の夜に除夜の鐘として撞かれる(2026年の年間行事予定による)。

高田別院鐘楼が登録された理由

高田別院鐘楼は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、境内の南の景観を構成する鐘楼と結んでいる。

床面積18平方メートルの小さな建物だが、切込接の基壇、粽付きの丸柱、二手先の詰組、彫刻欄間と、寺院建築の細部を一通り備えている。本堂の南東という位置もあって、境内の南側の眺めを引き締める建物になっている。

高田別院鐘楼の見学

高田別院鐘楼は、大門をくぐって本堂に向かい、左手(南側)に目を向けた先に建つ。四方が吹き放しなので、梵鐘も組物も外から見上げられる。詰組の密度は、少し離れて軒下全体を見ると分かりやすい。鐘を撞く行事は8月6日の午前6時30分と12月31日の午後11時30分からで、一般の人が撞けるかどうかの案内は見当たらなかった(2026年9月確認)。撮影についての公式の案内も見当たらない。境内への行き方は高田別院のページにまとめてある。

Q&A

Q高田別院鐘楼はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは文化3年(1806年)で、平成18年(2006年)に改修されています。別院の資料には文政元年(1818年)や天保9年(1838年)とするものもあります。
Q高田別院鐘楼はどのような造りですか?
A1間四方の吹き放しで、入母屋造・銅板葺の屋根を、粽付きの丸柱と尾垂木付き二手先の詰組が支えます。基壇は切込接の石積です。
Q高田別院鐘楼の梵鐘にはどんな由来がありますか?
A別院によると、天明3年(1783年)の寄進による480貫(約1.8トン)の鐘で、昭和19年(1944年)に供出されたのち、昭和20年(1945年)に埼玉県で見つかり戻されました。
Q高田別院鐘楼はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成27年(2015年)8月4日に、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。
Q高田別院鐘楼の鐘の音はいつ聞けますか?
A2026年の年間行事予定では、8月6日午前6時30分の「不戦平和の誓いの鐘」と、12月31日午後11時30分からの除夜の鐘があります(2026年9月確認)。

基本情報

名称高田別院鐘楼
所在地新潟県上越市寺町2丁目字大六5437-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成27年(2015年)登録
員数1棟
寸法面積18㎡(木造、銅板葺)
所有者宗教法人 真宗大谷派 高田別院
公開状況境内で外観を見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)高田別院鐘楼
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010571
文化遺産オンライン 高田別院鐘楼
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/246765

最終更新日: 2026.09.30