大多府漁港元禄防波堤とは

大多府漁港元禄防波堤は、岡山県備前市日生町大多府の大多府島にある元禄11年(1698年)築造の石積みの防波堤で、平成10年(1998年)1月16日に国の登録有形文化財(建造物)となった。読みは「おおたぶぎょこうげんろくぼうはてい」。岡山藩主池田綱政が作事奉行の津田永忠に命じて築かせた(日本遺産ポータルサイト、備前市教育委員会)。

文化庁の記録では、直立式石積防波堤で、延長129.7メートル、幅6.0メートル、高さ5.0メートル。登録番号は33-0018、所有者は岡山県である。文化庁の年代は17世紀末とされる。

風待ちの港として

備前市教育委員会の解説によれば、西国の大名が参勤の途中に天然の良港であった大多府で風待ちをしたことが、築港のきっかけになった。瀬戸内海を行く船は風と潮を待って港に入る必要があり、日生諸島の南に位置する大多府島はその待ち合わせの場となった。

大多府漁港元禄防波堤は日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財にも加えられている。日本遺産ポータルサイトは、北前船をはじめ参勤交代の御座船や大型の廻船が寄港した岡山藩公儀の港の防波堤と位置づけている。

登録有形文化財としての価値

大多府漁港元禄防波堤は「再現することが容易でないもの」として登録された。文化庁の解説は、石を2段に積んだ構造と、曲面形状になる堤の築造技術に見るべきものがあるとし、随所に後世の補修はあるものの、現存する数少ない明治期以前の港湾施設として貴重と評価している。

見どころ

大多府漁港元禄防波堤の見どころは、石を2段に積み、堤の断面を曲面に仕上げた形である(文化庁)。平らな面を立てた石垣とは違う輪郭で、港の岸から堤の側面を斜めに見ると、石積みが描く曲面がよくわかる。

延長129.7メートルの堤を歩いて端まで眺めると、ところどころに積み方の違う箇所がある。文化庁の解説が触れている後世の補修の跡で、元禄の石積みと後の手当てを見分けながら歩くのもよい。

見学について

大多府漁港元禄防波堤へは、JR赤穂線日生駅から日生港まで徒歩約10分、港から定期船で約40分の大多府島で降り、徒歩約3分(岡山県観光連盟)。車の場合は岡山ブルーライン備前インターから日生港まで約10分。定期船は大生汽船が運航しており、強風などで欠航することがあるので、運航状況を確かめてから出かけたい。

防波堤は漁港の施設で、港の岸から見ることができる。拝観料などの案内はない。問い合わせ先は備前観光協会(電話0869-72-1919)。

Q&A

Q大多府漁港元禄防波堤はいつ造られましたか?
A元禄11年(1698年)に、岡山藩主池田綱政の命で津田永忠が築造しました。
Q大多府漁港元禄防波堤の大きさは?
A延長129.7メートル、幅6.0メートル、高さ5.0メートルの直立式石積防波堤です(文化庁)。
Q大多府漁港元禄防波堤はなぜ登録有形文化財なのですか?
A2段の石積みで曲面形状の堤を築いた技術が評価され、現存する数少ない明治期以前の港湾施設として平成10年(1998年)1月16日に登録されました。
Q大多府漁港元禄防波堤への行き方は?
AJR日生駅から徒歩約10分の日生港から定期船で約40分、大多府島で降りて徒歩約3分です。
Q大多府漁港元禄防波堤は日本遺産ですか?
A日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財の一つです。

基本情報

名称大多府漁港元禄防波堤(おおたぶぎょこうげんろくぼうはてい)
所在地岡山県備前市日生町大多府248-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)1月16日登録
員数1基
寸法直立式石積防波堤、延長129.7メートル、幅6.0メートル、高さ5.0メートル
所有者岡山県
公開状況漁港の施設として岸から見学可

参考文献

大多府漁港元禄防波堤(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000479
大多府漁港元禄防波堤(日本遺産ポータルサイト)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/5653/
大多府漁港元禄防波堤(岡山観光WEB)
https://www.okayama-kanko.jp/spot/11054
大生汽船(日生諸島の定期船)
https://taiseikisen.com/

最終更新日: 2026.10.06