平作原発電所本館の概要
平作原発電所本館は、岡山県苫田郡鏡野町上齋原字平作原に昭和3年(1928年)に建てられた鉄筋コンクリート造2階建の発電所建屋で、平成18年(2006年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された。
建築面積は338平方メートルで、放水路も登録の対象に含まれる。山腹の水槽から約330メートル下った位置に建ち、鉄管で落とされた水がここで水車を回し、発電を終えた水は放水路から川へ戻される。
中国電力によれば、昭和3年(1928年)2月の運転開始時の出力は1,800キロワットで、昭和5年(1930年)に2,900キロワットへ増強された。現在も発電を続ける現役の建物で、社員は常駐せず、津山制御所から遠隔で運転されている。
登録の理由と建物の特色
平作原発電所本館の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、機能に即した基盤施設らしい外観を呈すると評している。
建物は二つの棟を組み合わせている。一つは発電機と配電盤室を収める桁行12メートル、梁間14メートルの切妻造の建屋で、発電所の中心となる大きな空間である。もう一つは開閉器室と旧変電器室を収める陸屋根の建屋で、切妻の建屋に接続し、北側の壁に縦長の窓が並ぶ。
屋根の形が異なる二つの建屋を、役割ごとに素直に並べた構成である。装飾で飾るのではなく、発電機を置く、電気を切り替える、という用途がそのまま形になっている。
昭和初期の山間の水力発電所が、鉄筋コンクリートという当時の新しい構造で建屋を造った例として、この本館は具体的な寸法と間取りの記録とともに残っている。
平作原発電所本館の見どころ
まず外観で二つの建屋を見分けたい。切妻屋根の大きな建屋と、平らな屋根の建屋。後者の北壁に並ぶ縦長の窓は、開閉器や変電設備の部屋に光を入れるためのもので、この建物でいちばん表情のある面になっている。
本館の西側と北側は、折れ曲がりながら延びる花崗岩の谷積の擁壁に囲まれている。擁壁も登録文化財で、平地の少ない谷でこの建物の敷地をつくったのがあの石積みである。
建屋の脇には水槽から下りてくる鉄管路がある。水槽、鉄管、本館、擁壁が一か所で見渡せる場所は、平作原発電所の登録10件のなかでもここだけである。
見学の条件
平作原発電所本館は稼働中の発電所で、内部は公開されていない。中国電力は外観ならいつでも見学できると案内しているが、敷地内や門や柵で区切られた管理区域には立ち入れない。見学は立ち入りが認められた場所から外観を眺める形になる。
所在地は上齋原字平作原1878。中国電力の案内では、中国自動車道の院庄インターチェンジから車で約70分、JR姫新線の院庄駅から車で約75分である。冬は深い雪に覆われる。
見学料はかからない。外観の撮影を制限する案内は中国電力のページには見当たらないが、管理区域に入っての撮影はできない。
Q&A
- 平作原発電所本館とは何ですか?
- 昭和3年(1928年)に建てられた平作原発電所の鉄筋コンクリート造2階建の発電所建屋です。建築面積338平方メートルで放水路が付き、平成18年(2006年)に登録有形文化財になりました。
- 平作原発電所本館は今も使われていますか?
- 現役の発電所です。社員は常駐しておらず、中国電力の津山制御所から遠隔で運転されています。
- 平作原発電所本館の建築の特徴は?
- 発電機と配電盤室を収める桁行12メートル、梁間14メートルの切妻造の建屋に、開閉器室と旧変電器室を収める陸屋根の建屋を接続した構成です。陸屋根の建屋の北壁に縦長の窓が並びます。
- 平作原発電所本館の内部は見学できますか?
- 内部は公開されていません。外観はいつでも見学でき、料金はかかりませんが、敷地内には入れません。
- 平作原発電所本館へのアクセスは?
- 所在地は岡山県苫田郡鏡野町上齋原字平作原1878で、中国自動車道院庄インターチェンジから車で約70分、JR院庄駅から車で約75分です。
基本情報
| 名称 | 平作原発電所本館 |
|---|---|
| 所在地 | 岡山県苫田郡鏡野町上齋原字平作原1878 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成18年(2006年)11月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 鉄筋コンクリート造2階建、建築面積338平方メートル(放水路付) |
| 所有者 | 中国電力株式会社 |
| 公開状況 | 外観のみ見学可(内部非公開、敷地内は立入不可) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「平作原発電所本館」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006051
- 文化遺産オンライン「平作原発電所本館」
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/182266
- 文化庁 国指定文化財等データベース「平作原発電所鉄管路擁壁及び本館擁壁」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006052
- 中国電力「平作原発電所の歴史|歴史的電力遺産」
- https://www.energia.co.jp/isan/heisakubara_history.html
- 中国電力「平作原発電所|歴史的電力遺産」
- https://www.energia.co.jp/isan/heisakubara.html
- 鏡野町公式観光サイト かがみの旅とくらし「恩原湖」
- https://www.kagamino.holiday/spot/entry-322.html
最終更新日: 2026.09.25