華泉酒造場中の蔵とは

華泉酒造場中の蔵(かせんしゅぞうじょうなかのくら)は、島根県鹿足郡津和野町後田の華泉酒造場で店舗兼主屋の東に作業場を介して続く江戸末期(1830年から1867年ごろ)の土蔵造平屋建の醸造蔵で、平成22年(2010年)9月10日に登録有形文化財となった。建築面積は191平方メートルある。

棟を東西に通した切妻造の桟瓦葺で、梁間6.5メートルに対して桁行は30メートルに及ぶ。華泉酒造場の5件のうち平屋はこの蔵だけで、長さでは群を抜いている。

名称の「中の蔵」は、通りの店舗兼主屋と敷地東端の東の蔵とのあいだ、敷地の中ほどに位置することに合う呼び名である。

酒造りを支える大規模な蔵

華泉酒造場中の蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。登録番号は32-0143である。

文化庁の解説は、華泉酒造場中の蔵を老舗の酒造場のたたずまいを伝える大規模な醸造蔵と位置づけている。享保15年(1730年)創業の造り酒屋で、酒造りそのものを受け持つ蔵がこの規模で江戸末期から残っている。土蔵4棟のうち、蔵の中の使い方まで解説に書かれているのは華泉酒造場中の蔵だけである。

長さ30メートルの土間

華泉酒造場中の蔵の内部は土間で、東西の2室に分かれ、酒樽を置いている。床を張らずに土のままとするのは、重い樽を据え、水を使う作業に向くためと考えられる。桁行30メートルの長い平面は、東西の2室に分けて使われている。

外まわりを見ると、基礎は石を積んで築き、壁は漆喰で仕上げる。壁の腰には竪板を張る。板を縦に並べた腰は、道具蔵や旧衣装蔵の通り側に見られる海鼠壁とは違う仕上げで、敷地の奥で働く蔵らしい実用的な造りといえる。

平屋のまま長く延びる姿は、2階建の蔵が多い華泉酒造場のなかで際立つ。梁間6.5メートルは道具蔵や旧衣装蔵の3.9メートルよりかなり広く、1つの屋根の下に大きな空間をとっている。

見学のしかた

華泉酒造場中の蔵は、文化庁の解説が酒樽を置く蔵として記す酒造場の蔵で、内部は公開していない。蔵の見学を受け付ける定期的な案内は、確認した範囲では見当たらなかった。

華泉酒造場中の蔵は店舗兼主屋の奥、作業場の東にあり、本町通りからは主屋にさえぎられて全体を見通すことは難しい。写真は公道から撮り、敷地には立ち入らないようにしたい。行き方は華泉酒造場のページにまとめた。

Q&A

Q華泉酒造場中の蔵はいつ建てられましたか。
A江戸末期で、文化庁のデータベースは1830年から1867年ごろとしています。
Q華泉酒造場中の蔵はどんな建物ですか。
A店舗兼主屋の東に作業場を介して続く土蔵造平屋建の醸造蔵です。梁間6.5メートル、桁行30メートル、建築面積191平方メートルで、切妻造の桟瓦葺です。
Q華泉酒造場中の蔵の中はどうなっていますか。
A内部は土間で、東西の2室に分かれ、酒樽を置いています。外壁は漆喰仕上げで腰に竪板を張り、基礎は石積みです。
Q華泉酒造場中の蔵が登録有形文化財になったのはいつですか。
A平成22年(2010年)9月10日です。登録番号は32-0143で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q華泉酒造場中の蔵は見学できますか。
Aできません。酒造場の蔵で、内部は公開されていません。敷地の奥にあるため、本町通りからは全体を見通しにくい位置です。

基本データ

名称華泉酒造場中の蔵(かせんしゅぞうじょうなかのくら)
所在地島根県鹿足郡津和野町後田字本町ロ221
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 32-0143
指定年平成22年(2010年)9月10日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積191平方メートル、桁行30メートル、梁間6.5メートル
所有者文化庁データベースに記載なし(華泉酒造合資会社が使用)
公開状況非公開(敷地の奥にあり、通りからは見通しにくい)

参考文献

国指定文化財等データベース 華泉酒造場中の蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008351
登録有形文化財(建造物)一覧(島根県)
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html

最終更新日: 2026.09.27