華泉酒造場東の蔵とは

華泉酒造場東の蔵(かせんしゅぞうじょうひがしのくら)は、島根県鹿足郡津和野町後田の華泉酒造場で敷地の東端に建ち、裏手の小路に面する江戸末期(1830年から1867年ごろ)の土蔵造2階建の蔵で、平成22年(2010年)9月10日に登録有形文化財となった。建築面積は144平方メートルある。

ほかの蔵が東西に棟を通すのに対し、華泉酒造場東の蔵は南北に棟を通す。南面に下屋を付け、規模は南北15メートル、東西9.3メートルに及ぶ。

小路の町並みを受け持つ蔵

華泉酒造場東の蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。登録番号は32-0144である。

華泉酒造場の5件のうち、本町通りではなく裏の小路に面しているのはこの華泉酒造場東の蔵だけになる。表通りの店構えと両脇の2つの蔵が本町通りの景観をつくる一方で、敷地の裏側の景観はこの1棟が受け持っている。文化庁の解説は、華泉酒造場東の蔵が小路の町並みに落ち着きを与えていると評価している。

棟の向きを南北にしたことで、蔵の長い側面が小路に沿って延びる。敷地の端を小路に沿って長く囲う配置は、表通りから裏の通りまでを1区画とする津和野の商家の敷地の、裏側の輪郭をかたちづくっている。

南と北で異なる屋根の端

華泉酒造場東の蔵の屋根は桟瓦葺だが、両端の形がそろっていない。北面は入母屋造、南面は切妻造とする。小路を歩いて蔵の両端を見比べると、北側では屋根の端が軒をめぐらせて納まり、南側では三角の妻壁を見せて下屋が付く、という違いが分かる。

壁は、石積みの基礎の上に板を高く張り、その上を漆喰で仕上げる。板張りの部分が高いため、小路から見ると蔵の下半分は木の色、上半分は白壁という2段の外観になる。通り側に海鼠壁を見せる道具蔵や旧衣装蔵とは違う、裏手の蔵らしい仕上げである。

見学のしかた

華泉酒造場東の蔵は内部を公開していない。

外観は、敷地の東端に沿う小路から見られる。北面の入母屋と南面の切妻を見比べるには、小路を少し歩いて両端に回るとよい。小路は地元の人の生活道路でもあるので、通行の妨げにならないよう気を配り、写真は公道から撮りたい。行き方は華泉酒造場のページにまとめた。

Q&A

Q華泉酒造場東の蔵はいつ建てられましたか。
A江戸末期で、文化庁のデータベースは1830年から1867年ごろとしています。
Q華泉酒造場東の蔵はどんな建物ですか。
A敷地の東端で小路に面する土蔵造2階建の蔵です。南北に棟を通し、南面に下屋を付け、規模は南北15メートル、東西9.3メートル、建築面積144平方メートルです。
Q華泉酒造場東の蔵の見どころはどこですか。
A屋根の両端の違いです。北面は入母屋造、南面は切妻造になっています。壁は石積み基礎の上に板を高く張り、上部を漆喰で仕上げています。
Q華泉酒造場東の蔵が登録有形文化財になったのはいつですか。
A平成22年(2010年)9月10日です。登録番号は32-0144で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q華泉酒造場東の蔵はどこから見られますか。
A本町通りではなく、敷地の東端に沿う小路から外観を見られます。内部は公開されていません。

基本データ

名称華泉酒造場東の蔵(かせんしゅぞうじょうひがしのくら)
所在地島根県鹿足郡津和野町後田字本町ロ221
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 32-0144
指定年平成22年(2010年)9月10日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積144平方メートル、南北15メートル、東西9.3メートル
所有者文化庁データベースに記載なし(華泉酒造合資会社が使用)
公開状況非公開(外観は東側の小路から)

参考文献

国指定文化財等データベース 華泉酒造場東の蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008352
登録有形文化財(建造物)一覧(島根県)
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html
津和野伝統的建造物群保存地区(津和野文化ポータル)
https://tsuwano-bunka.net/cultural-property/detail_hozon-area/

最終更新日: 2026.09.27