三富清兵衛の作と分かる内蔵

油伝味噌文庫蔵は、栃木県栃木市嘉右衛門町5-26にある明治18年(1885年)の土蔵で、平成16年(2004年)2月17日に登録有形文化財として登録された。土蔵造3階建、瓦葺、建築面積41平方メートル。日光例幣使街道の西側にある油伝味噌の敷地、その北側の中ほどに東西棟で建つ。

油伝味噌の5棟のうち、建築年が特定できるのはこの文庫蔵だけである。棟札が残っており、当地の土蔵造の名手として知られた三富清兵衛の作であることが判明している。ほかの4棟は文化庁の記録でも明治とだけ記され、年次までは特定されていない。

内部3階建の造り

桁行5間、梁間2間半の規模をもつ切妻造、桟瓦葺の土蔵で、外からは2階建に見えるが内部は3階建になっている。こうした蔵を内蔵と呼ぶ。建築面積41平方メートルに対して3層分の床面積を確保する造りで、文書や什器を納める文庫蔵としての用途に合っている。

文化庁の記録は、石積基礎や防火戸など造りの丁寧さで際立つと評している。土蔵は本来が防火のための構造だが、油伝味噌文庫蔵ではその手当てが特に行き届いている。棟札から作者がたどれることと合わせて、この蔵が群の中でも入念に建てられた1棟であることが分かる。

見学方法

営業中の味噌店の敷地にある民有の建物で、公開施設ではない。拝観料や開館時間にあたるものはなく、内部見学の案内も公的な資料では確認できない。

油伝味噌文庫蔵は敷地北側の中ほどに建ち、東蔵と中蔵とともに北面の蔵の列をつくっている。街路からはその列を通して眺めることになる。嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区の歩き方や問い合わせ先は油伝味噌のページにまとめてある。

Q&A

Q油伝味噌文庫蔵はいつ建てられましたか。
A明治18年(1885年)です。油伝味噌の5棟で建築年が特定できる唯一の建物です。
Q誰が建てたのですか。
A棟札から、当地の土蔵造の名手として知られた三富清兵衛の作と判明しています。
Q文庫蔵の構造は。
A土蔵造3階建、瓦葺で、建築面積は41平方メートルです。外からは2階建に見えますが内部は3階建の内蔵です。
Qどのような点が評価されていますか。
A石積基礎や防火戸など造りの丁寧さです。文化庁の記録はこの点で際立つとしています。
Q見学できますか。
A営業中の味噌店の敷地にある民有の建物で、内部公開の案内は公的資料では確認できません。

基本情報

名称油伝味噌文庫蔵
所在地栃木県栃木市嘉右衛門町5-26
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)2月17日登録
員数1棟
寸法建築面積41平方メートル
所有者個人
公開状況民有の営業敷地内。外観のみ

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 油伝味噌文庫蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003785
栃木市 栃木市嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区 特別号
https://www.city.tochigi.lg.jp/uploaded/attachment/68070.pdf

最終更新日: 2026.09.19