立川家住宅離れとは

立川家住宅離れは、徳島県三好市井川町辻にある大正期(1912〜1926年)建築の2階建ての住まいで、刻み煙草商だった立川家の屋敷の一部として、平成29年(2017年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「たつかわけじゅうたくはなれ」。

建物は屋敷の敷地の中ほどに建つ。規模は桁行11.0m、梁間6.0mで、木造2階建、切妻造・桟瓦葺、建築面積は85㎡。表の主屋より後の時代に、家の奥に加えられた住まいである。

立川家住宅離れが登録された理由

立川家住宅離れは、平成29年(2017年)10月27日、登録番号36-174として登録された。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説は、この離れが建てられたいきさつを伝えている。煙草が専売になったのち、ほかの土地で成功した当主が、辻に戻るために建てた住まいだという。明治37年(1904年)に煙草専売法が施行されると、煙草の製造は国の管理に移り、辻の刻み煙草商は家業の柱を失った。立川家住宅離れは、その転機のあと、家を離れて身を立てた当主がふたたび故郷に住まいを構えた証しとなる建物である。

文化庁は、この経緯を含めて立川家住宅離れが地域の歴史を象徴していると評価している。煙草の町として栄えた辻が専売化の後にたどった道を、立川家住宅離れは1軒の家の側から示している。

立川家住宅離れの見どころ

化粧持送りが支える出桁

立川家住宅離れの軒は、壁から外へ突き出した桁で支えられている。出桁造と呼ばれる形で、その桁を下から受ける持送りに装飾的な加工を施した「化粧持送り」が使われている。軒を深く出しつつ、その支えを見せ場にする町家の手法で、2階建ての住まいの外観に表情を与えている。

千鳥模様の戸袋

もう一つの特徴は、雨戸を納める戸袋を千鳥模様に仕立てている点である。文化庁は、これを出桁と並ぶ特徴的な意匠として挙げる。外から目に入りやすい戸袋に模様を入れている点に、この住まいの意匠への気配りが表れている。

立川家住宅離れの見学

立川家住宅離れは一般公開されておらず、内部見学の案内は見当たらない(2026年10月2日確認)。主屋より奥の、敷地の中ほどに建つため、主屋の前の道からは見えにくいと考えられる。道からどの程度見えるかは確認できていない。敷地には入らず、外から見える範囲で眺めたい。

Q&A

Q立川家住宅離れはいつ、なぜ建てられたのですか?
A立川家住宅離れは大正期(1912〜1926年)の建築です。文化庁の解説によれば、煙草の専売化ののち、ほかの土地で成功した当主が辻へ戻るために建てたものです。
Q立川家住宅離れの見どころは何ですか?
A立川家住宅離れでは、化粧持送りで支えた出桁の軒と、千鳥模様に仕立てた戸袋が特徴的な意匠として挙げられています。
Q立川家住宅離れの大きさはどのくらいですか?
A立川家住宅離れは桁行11.0m、梁間6.0mの木造2階建で、建築面積は85㎡です。屋根は切妻造の桟瓦葺です。
Q立川家住宅離れは見学できますか?
A立川家住宅離れは一般公開されておらず、内部見学の案内はありません(2026年10月2日確認)。敷地の中ほどに建つため、道から見える範囲は限られる可能性があります。
Q立川家住宅離れはいつ登録有形文化財になりましたか?
A立川家住宅離れは平成29年(2017年)10月27日に、登録番号36-174として登録有形文化財に登録されました。立川家住宅の4棟はすべて同じ日に登録されています。

基本情報

名称立川家住宅離れ
所在地徳島県三好市井川町辻159-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成29年(2017年)登録
員数1棟
寸法桁行11.0m、梁間6.0m、木造2階建、瓦葺、建築面積85㎡
所有者記載なし(文化庁データベース)
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)立川家住宅離れ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012054
文化遺産オンライン 立川家住宅離れ
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/256615
文化庁 登録有形文化財(建造物)の登録について(平成29年7月21日答申)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_22.pdf
たばこと塩の博物館 明治以降のたばこ文化:専売の時代(戦前)
https://www.tabashio.jp/collection/tobacco/t21/index.html

最終更新日: 2026.10.02