新井家住宅主屋(新宿区)とは

新井家住宅主屋は、東京都新宿区北山伏町にある昭和時代初期(1926〜1945年)の住宅で、平成25年(2013年)3月29日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「あらいけじゅうたくしゅおく」。

和館と洋館がひと続きになった住宅建築で、建築面積は346平方メートルある。同じ「新井家住宅主屋」の名で登録された建物が調布市入間町にもあるが、そちらは江戸時代末期の農家で、所在地も年代も異なる別の文化財である。

新井家住宅主屋が登録された理由

登録は第74回で、登録番号は13-0292。基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説が評価するのは、和館と洋館それぞれの仕上げの質である。和館では床の間と書院に紫檀・黒檀・鉄刀木(たがやさん)といった銘木を用い、座敷を華やかに仕立てている。いずれも南方から輸入された硬く色の濃い木で、床柱や床框、棚板などに使われることが多い。洋館は屋根に上質なフランス瓦を葺き、外壁をルスティカ積みとスクラッチタイル張りで仕上げて、重みのある外観をつくっている。

東京の山の手に、昭和初期の和洋併置の住宅が両方そろって残っている点に、新井家住宅主屋の価値がある。

新井家住宅主屋の和館と洋館

洋館の外壁に使われたルスティカ積みは、石の表面を粗く残したり目地を深く刻んだりして、壁に陰影をつける積み方をいう。スクラッチタイルは表面に引っかいたような溝をつけたタイルで、昭和初期の建物に多く見られる。フランス瓦は、一般に重なり合う形の洋瓦を指す呼び名である。洋館の見どころは、この三つの素材が組み合わさった外観にある。

一方の和館は、銘木を使った床の間と書院が中心になる。こちらは内部の造作なので、外から見て分かるものではない。

階数については記録に食い違いがある。文化庁のデータベースの構造欄は「木造平屋一部2階建、瓦葺」と記すが、同じ頁の解説文は「木造二階建」としている。どの部分が2階建なのかは、公表された資料からは確認できなかった。

新井家住宅主屋の見学とアクセス

新井家住宅主屋の所有者は、文化庁のデータベースでは空欄になっている。公開や撮影についての案内は、新宿区の文化財の頁にも見当たらない(2026年10月確認)。現在の使われ方も公表されていないので、訪ねる場合は道からの外観にとどめ、敷地に立ち入らないようにしたい。問い合わせ先としては、新宿区文化観光産業部文化観光課が区内の文化財を担当している。

新井家住宅主屋がある北山伏町は、都営大江戸線の牛込柳町駅と牛込神楽坂駅のあいだにある。地図上ではどちらの駅からも直線でおよそ500メートルで、歩けば7〜8分ほどを見込みたい。

Q&A

Q新井家住宅主屋(新宿区)はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A昭和時代初期(1926〜1945年)の建築とされ、平成25年(2013年)3月29日に国の登録有形文化財に登録されました。
Q新宿区の新井家住宅主屋と調布市の新井家住宅主屋は同じものですか?
A別の文化財です。新宿区北山伏町の新井家住宅主屋は昭和初期の和館・洋館からなる住宅、調布市入間町の新井家住宅主屋は江戸時代末期の農家です。
Q新井家住宅主屋(新宿区)の洋館の特徴は?
A屋根に上質なフランス瓦を葺き、外壁をルスティカ積みとスクラッチタイル張りで仕上げた、重みのある外観です。
Q新井家住宅主屋(新宿区)の和館の特徴は?
A床の間と書院に紫檀・黒檀・鉄刀木などの銘木を使い、座敷を華やかに仕立てています。
Q新井家住宅主屋(新宿区)は見学できますか?
A公開の案内は見当たりません(2026年10月確認)。都営大江戸線の牛込柳町駅・牛込神楽坂駅から歩いて行ける場所ですが、外観を見る場合も住まいへの配慮が必要です。

基本情報

名称新井家住宅主屋
所在地東京都新宿区北山伏町2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)登録
員数1棟
寸法建築面積346平方メートル
所有者不明(文化庁データベースでは空欄)
公開状況非公開(公開の案内なし)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)新井家住宅主屋(新宿区北山伏町)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009437
文化遺産オンライン 新井家住宅主屋(新宿区北山伏町)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/277970
新宿区 平成26年度第3回文化財保護審議会(担当課の記載)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/shingi/bunka02_002077.html

最終更新日: 2026.10.01