保岡勝也が設計した四畳半の茶室

平野家住宅茶室は、東京都文京区西片にある大正11年(1922年)頃に建てられた木造平屋建の茶室で、平成10年(1998年)9月2日に国の登録有形文化財となった。屋根は瓦葺、建築面積は13平方メートルである。

平野家住宅の敷地のほぼ中ほど、主屋の客間棟と向き合う位置に建つ。本来は塀の南端にあった茶室門から露地を通って入る順路で、平野家住宅茶室は主屋の玄関とは別の入口を持っていたことになる。

登録の理由 ― 茶室に通じた建築家の作

設計者の保岡勝也は『茶室と茶庭』という著作を持ち、茶室にも深い知識があった。文化庁は平野家住宅茶室を、その保岡が設計した近代の茶室建築として貴重だと評価している。登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

住宅作家として知られた建築家が、自ら設計した住まいのなかに茶室まで組み込んだ例である。和館・洋館と並んで、平野家住宅茶室は保岡の仕事のもう一つの面を示している。

見どころ ― 板床と月見障子

平野家住宅茶室は四畳半で、床の間の床面を板張りとした板床を備える。茶室の基本となる四畳半の広さに、簡素な床構えを組み合わせている。

文化庁の解説が特徴として挙げるのは東側の建具である。月見障子を建て込み、開放的な茶室にしている。客間棟と向き合う配置と合わせると、平野家住宅茶室は閉じた小空間というより、庭と住まいに向かって開かれた茶の場として構想されたことがうかがえる。

見学について

平野家住宅茶室は個人の住宅の敷地の中ほどにあり、公開されていない。道からは見えないとみられ、茶会などでの公開の告知も2026年9月の時点では確認できなかった。

行き方と、道から屋敷を見る際の注意は平野家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q平野家住宅茶室は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあり、公開されていない。道からも見えないとみられる。
Q平野家住宅茶室の広さは?
A四畳半で、板床を備える。建物の建築面積は13平方メートルである。
Q平野家住宅茶室を設計したのは誰ですか?
A平野家住宅全体を手がけた保岡勝也で、『茶室と茶庭』の著作があるなど茶室にも通じていた。
Q平野家住宅茶室の月見障子はどこにありますか?
A東側に建て込まれており、茶室を開放的な空間にしている。
Q平野家住宅茶室の登録番号と登録日は?
A登録番号は13-0024で、平成10年(1998年)9月2日の第11回登録で登録された。

基本情報

名称平野家住宅茶室
所在地東京都文京区西片2-9-12
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)9月2日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積13平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(道からは見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):平野家住宅茶室
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000643
文京区:国登録文化財
https://www.city.bunkyo.lg.jp/b047/p004380.html

最終更新日: 2026.09.26