日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂とは
日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂は、東京都文京区千石にある聖公会の鉄筋コンクリート造の礼拝堂で、昭和6年(1931年)に建てられ、平成16年(2004年)に国の登録有形文化財に登録された。都営三田線の千石駅から歩いて10分ほどの住宅地に、四角い鐘楼と尖塔が立ち上がっている。
東京諸聖徒教会は日本聖公会東京教区に属し、英語では All Saints Church, Tokyo と名乗る。始まりは明治14年(1881年)、麴町区飯田町に開かれた「九段聖公会講義所」である。明治29年(1896年)に独立して「諸聖徒教会」と名づけられ、明治43年(1910年)には神田西小川町に煉瓦造の大礼拝堂を完成させた。しかし大正12年(1923年)の関東大震災で建物はすべて崩れ、翌大正13年(1924年)に現在地の小石川林町へ移って「大塚聖公会」と合併し、「東京諸聖徒教会」となった。
礼拝堂は、この移転から生まれた。教会は昭和6年(1931年)に、礼拝堂・会館・牧師館を鉄筋コンクリート造でまとめて建てている。文化庁の国指定文化財等データベースは、設計を米国人建築家バーガミニ、施工を清水組(現在の清水建設)とし、構造を鉄筋コンクリート造2階建、金属板葺、建築面積264平方メートル、鐘楼付と記録する。
街の景観を形づくる礼拝堂という登録の理由
東京諸聖徒教会礼拝堂は平成16年(2004年)6月9日に登録された。登録番号は13-0175、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。この基準は建物が周囲の風景の中で果たしている役割を見るもので、文化庁の解説も、コンクリートの量感ある外観と尖塔が地域に広く親しまれてきたことを挙げている。
礼拝堂には戦争の痕も刻まれている。文化庁の記述では、第二次世界大戦の際に屋根部分を焼失し、戦後に復興された。教会自身の沿革はさらに厳しい状況を伝え、昭和20年(1945年)の東京大空襲でほとんどすべてを失い、昭和30年(1955年)に焼け残った骨組みを生かして礼拝堂と会館を現在の形に再建したと記している。
いま目にする礼拝堂は、1931年の躯体に戦後の屋根と内部を重ねた建物ということになる。炎に耐えたコンクリートの壁の内側で建て直すことを教会は選び、その重なりも建物の来歴の一部になっている。
東京諸聖徒教会礼拝堂の見どころ
まず鐘楼を探したい。装飾の少ないコンクリートの四角い塔で、上部の各面に細長いアーチ形の開口があり、頂に短く急な尖塔を載せる。文化庁の記録写真でも、低い家並みの上に塔が抜きん出ており、登録基準が念頭に置く眺めはこれだろう。
通りの高さでは、尖頭アーチの門が入口を示し、礼拝堂の長い側壁には緩い勾配の屋根の下に半円アーチの窓が並ぶ。コンクリートの面はほとんど飾られていない。建物の重みを生んでいるのは装飾ではなく、量塊そのものである。
堂内について、教会は昭和56年(1981年)の創立百年に祭壇画をはじめ24点の聖画を設置したと記している。また令和5年(2023年)には、子どもの活動のための新しいホール「諸聖徒こども家」が同じ敷地で祝福された。これは別棟で、登録の対象ではない。
東京諸聖徒教会礼拝堂の見学方法とアクセス
日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂は教会の礼拝堂として使われており、観光向けの公開時間や拝観料はない。鐘楼と礼拝堂の道路側は、公道からいつでも見られる。
日曜日の聖餐式は午前10時30分からで、第4日曜日は「み言葉の礼拝」となる。日曜学校は午前9時30分から。内部を見るには日曜日の礼拝に出席するのが確実で、それ以外の時間は事前に教会へ連絡したい。電話とメールアドレスは東京教区と教会のサイトに載っている。
撮影についての案内は見当たらない。外観は公道から撮り、内部を撮るときは教会に確認したい。
最寄りは都営三田線の千石駅で、徒歩約10分。白山通りから西へ入った住宅街の中にある。
Q&A
- 東京諸聖徒教会礼拝堂はいつ建てられましたか?
- 関東大震災後に千石へ移った教会が、昭和6年(1931年)に建てました。昭和20年(1945年)の空襲で焼け、昭和30年(1955年)に焼け残った骨組みを生かして再建されています。
- 東京諸聖徒教会礼拝堂の設計者は誰ですか?
- 文化庁の記録では米国人建築家バーガミニの設計で、施工は清水組です。
- 東京諸聖徒教会礼拝堂はなぜ登録有形文化財なのですか?
- 平成16年(2004年)6月9日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。量感あるコンクリートの外観と尖塔が、地域に長く親しまれています。
- 日本聖公会東京諸聖徒教会の中は見学できますか?
- 日曜日午前10時30分の礼拝には誰でも出席できます。それ以外の時間に訪ねたいときは、事前に教会へ連絡してください。拝観料はありません。
- 東京諸聖徒教会礼拝堂への行き方は?
- 都営三田線の千石駅から徒歩約10分です。
基本情報
| 名称 | 日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都文京区千石2-18-4 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成16年(2004年)6月9日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積264㎡(鉄筋コンクリート造2階建、金属板葺、鐘楼付) |
| 所有者 | 宗教法人日本聖公会東京教区 |
| 公開状況 | 外観は公道から見学可。内部は日曜午前10時30分の礼拝時、または事前連絡による |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004126
- 文化遺産オンライン 日本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/180346
- 東京諸聖徒教会(日本聖公会東京教区)
- https://www.nskk.org/tokyo/churchs/allsaints
- 東京諸聖徒教会「子どもと歩む 新しい働きのため 建築募金のお願い」(沿革)
- https://www.nskk.org/tokyo-allsaints/
最終更新日: 2026.10.04