お茶の水女子大学講堂(徽音堂)とは

お茶の水女子大学講堂は、東京都文京区大塚のお茶の水女子大学本館の中庭に昭和7年(1932年)に建てられた鉄骨鉄筋コンクリート造2階建の講堂で、平成20年(2008年)に登録有形文化財に登録された。

学内では「徽音堂(きいんどう)」の名で呼ばれている。本館とともに関東大震災後の新校舎として計画され、本館の竣工と同じ年に完成した。建築面積は1,018平方メートル。本館の中央玄関から奥へ進んだ突き当たりに入口があり、コ字形の本館に三方を囲まれるように建っている。

お茶の水女子大学講堂は、いまも学内の式典や催しの会場として使われている。平成18年(2006年)に、本館とあわせて改修を終えた。

お茶の水女子大学講堂の名と登録の理由

「徽音」は、先人の美徳をよく受け継ぎ、徳のある言葉を世に広めたという中国の故事にちなむ言葉だと、大学の歴史資料館は説明している。竣工のとき、東伏見宮妃周子がこの3文字を揮毫した額を贈り、その扁額は現在もお茶の水女子大学講堂の正面に掲げられている。

この名は講堂の外にも広がった。毎年11月に開かれる学園祭「徽音祭」は、昭和25年(1950年)の第1回が講堂で開かれたことにちなんで名づけられている。

文化庁は、お茶の水女子大学講堂を「造形の規範となっているもの」として登録した。解説によれば、外壁を全面スクラッチタイル貼とし、腰壁に万成石を貼る点は本館と同じで、2棟は統一された意匠でまとめられている。そのうえで講堂は2階に2連のアーチ窓を連続させ、本館よりも穏やかな外観にしている。同じ材料を使いながら、窓の形で建物の性格を描き分けた設計といえる。

お茶の水女子大学講堂の見どころ

外観でまず目に入るのは、2階の壁面にリズムよく並ぶアーチ窓である。アーチ形の窓が2つずつ組になり、それが横に続く。本館の正面と見比べると、講堂のほうが柔らかく見える理由はこの窓にあることがわかる。足元には本館と同じ万成石の腰壁がめぐり、茶色のタイルとの境目で建物の基部を引き締めている。

室内では、天井が緩やかなアーチを描き、化粧欄間や照明のカバーが竣工当時のまま使われている。正面に掲げられた「徽音堂」の扁額は、昭和7年(1932年)の竣工時に贈られたものである。

本館の中庭に建つため、お茶の水女子大学講堂は正門の前からは本館に隠れてほとんど見えない。本館の中央玄関を抜けた先で、初めて全体の姿が近くに現れる配置になっている。

お茶の水女子大学講堂の見学方法

お茶の水女子大学講堂の内部は一般には公開されていない。中に入れるのは、講堂を会場にした公開講演会や演奏会、学園祭などの行事に参加する場合で、行事ごとに大学や主催者の案内に従って入構する。

建物へは本館の中央玄関から入り、廊下を進んだ突き当たりが講堂の入口になる。行事の日でも撮影の可否は主催者によって異なるため、会場での案内を確かめたい。キャンパスへの行き方と入構の条件は、お茶の水女子大学のページにまとめてある。

Q&A

Qお茶の水女子大学講堂はなぜ「徽音堂」と呼ばれるのですか?
A「徽音」は、先人の美徳をよく受け継ぎ、徳のある言葉を世に広めたという中国の故事にちなむ言葉です。竣工時に東伏見宮妃周子が揮毫した「徽音堂」の額が贈られ、現在も講堂に掲げられています。
Qお茶の水女子大学講堂はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A昭和7年(1932年)に本館とともに完成しました。平成20年(2008年)に「造形の規範となっているもの」として登録有形文化財に登録されています。
Qお茶の水女子大学講堂の内部は見学できますか?
A内部は一般公開されていません。講堂を会場にした公開行事や学園祭などに参加する場合に入ることができます。
Qお茶の水女子大学講堂と本館の外観はどこが違いますか?
Aどちらもスクラッチタイル貼の外壁に万成石の腰壁を合わせていますが、講堂は2階に2連のアーチ窓を連続させており、本館より穏やかな印象になっています。
Q学園祭の徽音祭はお茶の水女子大学講堂と関係がありますか?
Aはい。昭和25年(1950年)の第1回学園祭が講堂(徽音堂)で開かれたことから、徽音祭と名づけられました。

基本情報

名称お茶の水女子大学講堂
所在地東京都文京区大塚2-35
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2008年3月7日(登録)
員数1棟
寸法鉄骨鉄筋コンクリート造2階建、建築面積1,018平方メートル
所有者国立大学法人お茶の水女子大学
公開状況内部は一般非公開。講堂を会場にした公開行事の参加時に入場可

参考文献

国指定文化財等データベース「お茶の水女子大学講堂」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006804
文化遺産オンライン「お茶の水女子大学講堂」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/183016
2011年企画展示「関東大震災とお茶の水女子大学本館―校舎焼失からの復興」(お茶の水女子大学デジタルアーカイブズ)
https://www.lib.ocha.ac.jp/archives/tenji_2011_archive.html
歴史資料館のご案内(お茶の水女子大学附属図書館)
https://www.lib.ocha.ac.jp/06/guide_shiryoukan.html
白杖利用者向けのことばの地図 茗荷谷駅改札前から徽音堂まで(お茶の水女子大学)
https://www.ocha.ac.jp/access/textmap1.html
徽音祭について(お茶の水女子大学 徽音祭実行委員会)
https://kiin-fes.com/about-kiin-fes

最終更新日: 2026.10.01