有隣荘石垣とは

有隣荘石垣は、鳥取県鳥取市国安の有隣荘で土塀の西に連なる大正12年(1923年)頃の石造の擁壁で、平成25年(2013年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「ゆうりんそういしがき」。

高さ約1.6メートル、延長45メートル。屋敷の正面の西半分を受け持ち、背後にある主庭の土を留める土留擁壁を兼ねている。上部には植栽がある。

有隣荘石垣が登録された理由

有隣荘石垣は、長屋門・土塀など8件とともに「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。登録番号は31-0182で、9件の最後の番号である。員数は1基。

文化庁の解説は、有隣荘石垣が庭園とともに良好な風致をつくっていると評価する。鳥取県教育委員会も、敷地正面に石垣と長屋門を配して旧家の屋敷構えを引き立てていると記している。建物ではないが、外から有隣荘を見たとき、長屋門の次に大きく目に入るのがこの石垣である。

有隣荘石垣の見どころ

凝灰岩の三段布積み

有隣荘石垣は、四角く加工した大ぶりの凝灰岩を積んでいる。積み方は、横の目地が一直線に通るよう石の高さをそろえて並べる布積で、段数は3段。石の数が少なく、一つひとつが大きいので、長い石垣でも落ち着いた印象になる。

江戸切の縁取り

積石の表面は、縁の部分を細く平らに削り出し、中央を残す江戸切で仕上げている。石の周囲にくっきりとした細い帯が回るため、目地の線が強調される。斜めから光が当たる時間帯に見ると、縁と中央の段差が影になって浮かび上がる。

勾配をつけた正面

正面にはわずかな勾配が付けてあり、石垣は垂直ではなく、上へ行くほど奥へ引いている。背後の庭の土を受け止める擁壁としての工夫で、真横から見ると傾きがわかる。上部の植栽は、主庭の縁を外側から縁取る役目も果たしている。

有隣荘石垣の見学方法

有隣荘石垣は屋敷の正面、土塀の西に続いているので、敷地の外から外観を見ることができる。予約がなくても見られる部分である(2026年10月2日確認)。

石垣は庭の土を支える擁壁なので、上に登ったり、上部の植栽に手を入れたりしないでほしい。長屋門の前から西へ、土塀から石垣へ素材が切り替わる位置を確かめながら歩くのがよい。屋敷への行き方は有隣荘のページにまとめてある。

Q&A

Q有隣荘石垣の大きさはどれくらいですか?
A高さ約1.6メートル、延長45メートルです。
Q有隣荘石垣にはどんな石が使われていますか?
A矩形に加工した大ぶりの凝灰岩です。正面に勾配を付けて3段の布積みにしています。
Q有隣荘石垣の石の仕上げの特徴は何ですか?
A石の縁を細く平らに削る江戸切仕上げで、目地の線がくっきりと見えます。
Q有隣荘石垣は何のための石垣ですか?
A屋敷の正面を構えるとともに、背後の主庭の土を留める擁壁を兼ねています。
Q有隣荘石垣は予約なしで見られますか?
A屋敷の正面にあるので、敷地の外から外観を見ることができます。

基本情報

名称有隣荘石垣
所在地鳥取県鳥取市国安895-5
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)登録
員数1基
寸法高さ約1.6メートル、延長45メートル
所有者株式会社日ノ丸総本社
公開状況外観は敷地の外から見学可

参考文献

有隣荘石垣(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009532
有隣荘石垣(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/239945
有隣荘の国登録有形文化財・新規登録について(鳥取県教育委員会 報告事項)
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/724697/241019houkokusu.pdf

最終更新日: 2026.10.01