有隣荘土塀とは

有隣荘土塀は、鳥取県鳥取市国安の有隣荘で長屋門の左右に折れ曲がってのびる大正12年(1923年)頃の瓦葺の塀で、平成25年(2013年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「ゆうりんそうどべい」。

長屋門から東へ14.2メートル、西へ5.4メートルのび、文化庁のデータベースは総延長を20メートルとしている。名前は土塀だが、構造欄の記載は「木造、瓦葺」で、柱を立てて壁を塗った塀である。

有隣荘土塀が登録された理由

有隣荘土塀は、長屋門や石垣など8件とともに「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。登録番号は31-0181である。

文化庁の解説は、有隣荘土塀が長屋門と意匠をそろえ、風格ある屋敷構えをつくっていると評価する。門だけでは「入口」にすぎないが、左右に塀がのびることで、敷地の南辺全体が一つの正面として立ち上がる。西では有隣荘土塀がそのまま石垣へ受け渡され、門・塀・石垣が一列に並ぶ。

有隣荘土塀の見どころ

布石と腕木

有隣荘土塀は、地面に据えた布石(細長い基礎石)の上に建つ。柱の一本一本に腕木を差し通し、その先で軒桁を受けて、切妻造の桟瓦葺の屋根を支えている。塀に沿って歩くと、柱ごとに突き出た腕木が等間隔に並び、軒の下に小さな影のリズムをつくっているのがわかる。

真壁の白壁と腰板

壁は柱を見せて塗る真壁の漆喰塗で、腰には簓子下見板を張る。柱が白壁を一定の幅で区切るので、長い塀でも単調にならない。長屋門の両脇の小部屋も漆喰塗に簓子下見板張で、門から塀へ仕上げが途切れずに続く。

東西で違う長さ

塀は長屋門を中心に左右対称ではない。東へは14.2メートルと長く、西へは5.4メートルと短く、西の先は石垣へ続く。門前に立って左右を見比べると、塀の長さの違いと、西側で塀から石垣へ素材が切り替わる位置がよくわかる。

有隣荘土塀の見学方法

有隣荘土塀は屋敷の正面に並ぶので、長屋門の前から外観を見ることができる。長屋門・石垣と並んで、予約がなくても門前から眺められる部分である(2026年10月2日確認)。

塀は屋敷の境界なので、寄りかかったり瓦に触れたりしないでほしい。営業中は食事の客が門を出入りするので、写真を撮るときは通路をふさがないよう気をつけたい。屋敷への行き方は有隣荘のページにまとめてある。

Q&A

Q有隣荘土塀の長さはどれくらいですか?
A長屋門から東へ14.2メートル、西へ5.4メートルで、文化庁のデータベースは総延長を20メートルとしています。
Q有隣荘土塀はどんな構造ですか?
A布石の上に柱を立て、各柱に通した腕木で軒桁を受けています。屋根は切妻造の桟瓦葺、壁は真壁の漆喰塗で腰に簓子下見板を張っています。
Q有隣荘土塀は土でできているのですか?
A名称は土塀ですが、文化庁のデータベースの構造欄は「木造、瓦葺」です。柱を立てて漆喰で塗った塀です。
Q有隣荘土塀と長屋門の関係は?
A長屋門の左右にのび、漆喰塗と簓子下見板張という同じ仕上げで意匠をそろえています。
Q有隣荘土塀は予約なしで見られますか?
A屋敷の正面にあるので、長屋門の前から外観を見ることができます。

基本情報

名称有隣荘土塀
所在地鳥取県鳥取市国安895-5
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)登録
員数1棟
寸法総延長20メートル(東側14.2メートル、西側5.4メートル)
所有者株式会社日ノ丸総本社
公開状況外観は門前から見学可

参考文献

有隣荘土塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009531
有隣荘の国登録有形文化財・新規登録について(鳥取県教育委員会 報告事項)
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/724697/241019houkokusu.pdf

最終更新日: 2026.10.01