有隣荘長屋門とは

有隣荘長屋門は、鳥取県鳥取市国安の有隣荘の正面に大正12年(1923年)頃に建てられた木造平屋建の表門で、平成25年(2013年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「ゆうりんそうながやもん」。

敷地の南辺に、主屋の玄関と真正面で向き合うように構える。桁行10.4メートル、梁間4.0メートル、建築面積42平方メートル。門の部分の左右に小部屋を抱えた長屋門の形式で、旧大庄屋の家の入口にふさわしい構えを見せている。

有隣荘長屋門が登録された理由

有隣荘長屋門は、主屋・離れなど8件とともに「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。登録番号は31-0176である。

文化庁は有隣荘長屋門を、旧家の格式を示す長屋門と評している。長屋門は江戸時代、武家屋敷や村役人を務める上層の農家に見られた門の形式で、門そのものが家の格を外に示す役目を担った。鳥取県教育委員会も、敷地正面の石垣と長屋門が旧家の屋敷構えを引き立てていると記している。

有隣荘長屋門の見どころ

門口と潜戸

有隣荘長屋門は横に3つに区切られ、中央の間を門口として板戸を吊っている。東側には人が身をかがめて通る潜戸を開く。大扉を閉じたまま潜戸だけを使う日常の出入りと、大扉を開け放つ改まった出入りとを使い分けられるつくりである。

運営者は、旧屋敷から運んだ門の扉が樟(くすのき)の一枚板で、旧屋敷に育った木から取ったものだと案内している。この扉が長屋門の板戸を指すのか、ほかの門のものかは資料に明記がないが、門口の前に立ったら、扉の板に継ぎ目があるかどうかを確かめてみたい。

白壁と簓子下見板

屋根は入母屋造の桟瓦葺。外壁は漆喰塗で、腰には、板の重なりに合わせて刻みを入れた押縁(簓子)で押さえる簓子下見板(下見板張の一種)を張る。左右の小部屋の白壁と腰板の陰影が、門口の暗がりを挟んで対称に並ぶ。両脇にのびる土塀も同じ白壁と腰板でそろえてあり、門と塀が一続きの正面をつくっている。

門脇の椎の木

門の脇には樹齢200年ともいわれる椎の木がそびえ、運営者によれば旧屋敷から移したものである。門を入る前に少し下がって、瓦屋根と椎の枝ぶりを一緒に眺めると、この門が屋敷の顔であることがよくわかる。

有隣荘長屋門の見学方法

有隣荘長屋門は屋敷の正面にあり、外観は門前から見ることができる。料亭を予約した客はこの門をくぐって主屋の玄関へ向かう。左右の小部屋の内部が公開されているという案内は見当たらない(2026年10月2日確認)。

営業中は食事の客が出入りするので、門前で写真を撮るときは通行の妨げにならないよう気をつけたい。屋敷への行き方は有隣荘のページにまとめてある。

Q&A

Q有隣荘長屋門の大きさはどれくらいですか?
A桁行10.4メートル、梁間4.0メートル、建築面積42平方メートルの木造平屋建です。
Q有隣荘長屋門はどこにありますか?
A敷地の南辺、主屋の玄関の真正面にあります。左右には土塀がのび、西には石垣が続きます。
Q有隣荘長屋門のつくりの特徴は何ですか?
A中央の間を門口として板戸を吊り、東側に潜戸を開けています。両脇は小部屋で、外壁は漆喰塗、腰は簓子下見板張です。
Q有隣荘長屋門はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A旧家の格式を示す門として、ほかの8件とともに国土の歴史的景観に寄与していると評価されたためです。
Q有隣荘長屋門は自由に見られますか?
A外観は門前から見られます。門をくぐって屋敷に入るのは、料亭やティータイムプランを予約した場合が基本です。

基本情報

名称有隣荘長屋門
所在地鳥取県鳥取市国安895-5
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)登録
員数1棟
寸法桁行10.4メートル、梁間4.0メートル、建築面積42平方メートル
所有者株式会社日ノ丸総本社
公開状況外観は門前から見学可

参考文献

有隣荘長屋門(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009526
有隣荘の国登録有形文化財・新規登録について(鳥取県教育委員会 報告事項)
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/724697/241019houkokusu.pdf
有隣荘とは(鳥取・いなば 有隣荘 公式サイト)
https://yurinsou.com/info

最終更新日: 2026.10.01