旧戸田家住宅隠居棟とは
旧戸田家住宅隠居棟は、和歌山県有田郡広川町広にある製網業の旧家・戸田家の屋敷で昭和前期(1926〜1945年)に建てられた木造平屋建の離れで、平成28年(2016年)に登録有形文化財に登録された。
主屋の裏手に、ほかの棟から離れて独立して建つ。建築面積は36㎡で、旧戸田家住宅の6棟のなかでいちばん小さい。文化庁の解説によれば、旧戸田家住宅隠居棟では主に戸田保太郎の弟が暮らしたと伝わる。
旧戸田家住宅隠居棟が登録された理由
旧戸田家住宅隠居棟は「造形の規範となっているもの」として登録された。和歌山県教育委員会は「上質な造り」の隠居棟と紹介しており、小さな建物ながら、屋根と軒に手のかかった意匠を見せる点が評価されている。
間取りは簡素である。西面の戸口に両開きの板戸を付け、半間幅の土間を介して4畳と6畳の2室を並べる。住まいとしての機能をここまで絞り込んだうえで、意匠の手間を外回りに集めている。
旧戸田家住宅隠居棟の見どころ
まず屋根を見たい。旧戸田家住宅隠居棟の屋根は入母屋造で、屋根面が上へ緩やかにふくらむ起り(むくり)屋根になっている。直線の屋根より柔らかく、住まいとしての落ち着きを感じさせる形である。
軒には南を除く三方に銅板葺の庇を廻らせ、その庇の垂木を扇垂木としている。垂木を平行に並べず、隅に向かって扇の骨のように放射状に開いていく手法で、ふつうは寺院建築で目にすることが多い。36㎡の小さな住まいにこれを用いたところに、旧戸田家住宅隠居棟を建てた戸田家のこだわりが表れている。文化庁の解説は、この庇が軽快な外観をつくると述べる。
旧戸田家住宅隠居棟の見学方法
和歌山県教育委員会の資料(2026年7月時点)によると、旧戸田家住宅の建物の内部に入れるのは施設の利用者に限られる。旧戸田家住宅隠居棟は主屋の裏手にあり、通りから姿を見ることはできないとみられる。
公式サイトで「1棟独立した建物」の落ち着いた小さな和室の客室(102号室、35.73㎡、定員2名)として紹介されている部屋は、規模と配置から旧戸田家住宅隠居棟にあたるとみられる。宿泊の予約は1週間前まで受け付ける。屋敷への行き方は旧戸田家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 旧戸田家住宅隠居棟には誰が住んでいましたか?
- 文化庁の解説によれば、旧戸田家住宅隠居棟では主に戸田保太郎の弟が暮らしたと伝わります。保太郎はのちに広村の村長を務め、屋敷を整えた人物です。
- 旧戸田家住宅隠居棟はいつ建てられましたか?
- 旧戸田家住宅隠居棟は昭和前期(1926〜1945年)の建築で、平成28年(2016年)11月29日に登録有形文化財に登録されました。
- 旧戸田家住宅隠居棟の屋根と軒の特徴は何ですか?
- 屋根は緩やかに上へふくらむ起り屋根の入母屋造で、南を除く三方に銅板葺の庇を廻らせ、その垂木を放射状の扇垂木にしています。
- 旧戸田家住宅隠居棟の間取りはどうなっていますか?
- 西面の両開きの板戸から入り、半間幅の土間を介して4畳と6畳の2室が並ぶ、ごく簡素な間取りです。建築面積は36㎡です。
- 旧戸田家住宅隠居棟は見学できますか、泊まれますか?
- 内部に入れるのは宿泊者だけで、通りからは見えないとみられます。公式サイトの102号室(35.73㎡、定員2名)がこの建物にあたるとみられ、予約は1週間前までです。
基本情報
| 名称 | 旧戸田家住宅隠居棟 |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県有田郡広川町大字広1347他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成28年(2016年)11月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積36㎡ |
| 所有者 | 広川町 |
| 公開状況 | 内部は宿泊者のみ(予約制)。主屋の裏手にあり通りからは見えない |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)旧戸田家住宅隠居棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011391
- 文化遺産オンライン 旧戸田家住宅隠居棟
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/244008
- 和歌山県教育委員会 活用事例2 旧戸田家住宅(PDF)
- https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500700/d00219867_d/fil/02.pdf
- ホテル「いさり」・レストラン/カフェ「潮香」公式サイト
- https://shioka-isari.com/
最終更新日: 2026.10.07