山内家住宅門及び塀とは

山内家住宅門及び塀は、山口県防府市栄町2丁目にある昭和6年(1931年)頃の門と塀で、平成26年(2014年)4月25日に国の登録有形文化財となった。山内家住宅(やまのうちけじゅうたく)の表構えをなす工作物で、敷地北面の西寄りに開く木造の門と、敷地を囲む総延長48メートルの煉瓦塀が一括で登録されている。

門は間口2.1メートルの棟門で、控柱と袖壁を備え、板戸を引違いに建てる。塀は煉瓦造で、表側の北面から屋敷の周囲を回る。山内家住宅門及び塀は、道を行く人が山内家住宅について最初に目にする部分である。

登録の理由:桃色煉瓦

山内家住宅門及び塀の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は35-0092。文化庁の解説は、表構えを整える門と塀であり、あわせて地方的特色を備えるものと位置づけている。

その地方的特色は塀の材料にある。山内家住宅門及び塀の塀は「桃色煉瓦」と呼ばれる炭滓煉瓦で積まれている。炭滓は石炭の燃えがらのことで、これを用いた煉瓦とされる。桃色という通称そのものが、見慣れた赤煉瓦とは違う材料であることを示している。

積み方は半枚厚の長手積。煉瓦の長い面だけを表に見せて積み、壁の厚さは煉瓦1枚の幅しかない。薄い壁を自立させるため、塀の内側には柱形を付けて支えている。表から見れば平らな煉瓦面が続き、構造の工夫は内側に隠れている。

見どころ:北面の鋸歯飾りと棟門

山内家住宅門及び塀のうち、道に面した北面の塀だけは頂部に鋸歯状の装飾が施されている。ギザギザの輪郭が塀の上端を縁取り、単調になりがちな長い煉瓦面に切れ目を与えている。装飾を北面に限っていることから、道から見られる表側を意識して仕上げた塀であることが分かる。

門は棟門の形式をとる。2本の柱の上に切妻の屋根を載せる簡素な門だが、ここでは控柱を立てて支えを加え、両脇に袖壁を付けて間口以上の構えに見せている。扉は開き戸ではなく、板戸の引違いである。

門のすぐ西、敷地の北西隅には山内家住宅の蔵が立つ。山内家住宅門及び塀の東寄りでは、女衆部屋と納屋の竪板張の背面が敷地境界を兼ね、煉瓦塀とつながっている。煉瓦と漆喰と板という3つの素材が、北面の一続きの景観をつくっている。

見学の条件

山内家住宅門及び塀は、山内家住宅の6件のうち道からもっともよく見える物件である。門と北面の塀は北側の道に面しており、敷地の外から外観を眺められる。ただし屋敷は個人の住宅で、門の内側へは入れない(2026年9月26日確認)。

鋸歯状の頂部装飾は北面にあるので、北側の道に立って見る。塀の内側の柱形は敷地の中にあるため、外からは確かめられない。撮影は道から行い、門扉に近づきすぎないようにしたい。

Q&A

Q山内家住宅門及び塀の「桃色煉瓦」とは何ですか?
A文化庁の解説によれば、塀は「桃色煉瓦」と呼ばれる炭滓煉瓦で積まれています。炭滓は石炭の燃えがらのことで、これを用いた煉瓦とされます。文化庁はこの門と塀を地方的特色を備えるものと評価しています。
Q山内家住宅門及び塀は外から見られますか?
A門と北面の塀は北側の道に面しており、敷地の外から外観を見られます。屋敷は個人の住宅のため、門の内側へは入れません(2026年9月26日時点)。
Q山内家住宅門及び塀の門はどんな形式ですか?
A間口2.1メートルの棟門で、控柱と袖壁を備え、板戸を引違いに建てています。
Q山内家住宅門及び塀の塀はどのくらいの長さですか?
A総延長48メートルの煉瓦塀で、敷地を囲んでいます。半枚厚の長手積で内側に柱形を付け、北面の頂部には鋸歯状の装飾があります。
Q山内家住宅門及び塀はいつ登録有形文化財になりましたか?
A昭和6年(1931年)頃の建造とされ、平成26年(2014年)4月25日に登録有形文化財となりました。登録番号は35-0092です。

基本情報

名称山内家住宅門及び塀
所在地山口県防府市栄町2-1222-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)4月25日登録
員数1棟
寸法門:木造、瓦葺、間口2.1メートル、袖壁付/塀:煉瓦造、総延長48メートル
所有者個人
公開状況非公開(個人の住宅。門と北面の塀は敷地外の道から見られる)

参考文献

国指定文化財等データベース 山内家住宅門及び塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010068
防府市 国指定等文化財(登録有形文化財一覧)
https://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/40/kunisiteibunkazai.html

最終更新日: 2026.09.26