窪八幡神社の成り立ち
窪八幡神社は山梨県山梨市北に鎮座する八幡神社で、社伝では貞観元年(859年)に宇佐八幡宮の神を迎えて創建されたとされ、永正16年(1519年)建立の本殿をはじめ境内の建造物9件が重要文化財に指定されている。正式な社名は大井俣窪八幡神社で、地元では「窪八幡」と呼ばれる。
山梨市が紹介する『大井俣神社本紀』の記述によれば、清和天皇の命で九州の宇佐八幡宮から神が勧請され、笛吹川の中州にあたる大井俣の地にまつられたことから大井俣神社と称した。のちに社地を北の窪の地へ移し、窪八幡と呼ばれるようになったと伝わる。
戦国時代には甲斐を治めた武田氏の崇敬を受けた。神社の公式サイトは、武田信虎と晴信(信玄)の父子がとりわけ篤く窪八幡を信仰したと説明している。現在の社殿の多くは、この武田氏の時代に建てられたり造り替えられたりしたもので、境内には室町時代後期の建物がまとまって残る。
近代の洋画家須田国太郎は、この神社を描いた「窪八幡」(1955年、東京国立近代美術館蔵)を残している。
境内の配置と歩く順序
窪八幡神社の境内は東を正面とし、参拝者は東から西へ進む。最初に現れるのは、境内から東へ離れた参道の上に立つ木造の鳥居で、その先に水路をまたぐ石橋と、東向きに建つ神門がある。
神門をくぐった境内の前半部には池があり、その中島に末社比咩三神本殿が建つ。境内の奥半分は石垣で一段高くなっており、石段を上った正面に横長の拝殿(庁屋)、その背後に本殿が並ぶ。
拝殿の北側には摂社若宮八幡神社の拝殿と本殿が前後に並び、南側には末社高良神社本殿が、本殿の南脇には末社武内大神本殿が建つ。鳥居から本殿の脇まで歩いても数分の広さで、9件の重要文化財を1度にたどれる。
窪八幡神社の重要文化財
文化庁の国指定文化財等データベースに記載された窪八幡神社の重要文化財は次の9件である。年代は同データベースの記載に従い、社伝や棟札・墨書の年と異なるものは各ページで説明している。
- 本殿(十一間社流造、永正16年(1519年))
- 拝殿(庁屋)(弘治3年(1557年))
- 摂社若宮八幡神社本殿(室町中期)
- 摂社若宮八幡神社拝殿(天文5年(1536年))
- 末社高良神社本殿(明応9年(1500年))
- 末社武内大神本殿(明応9年(1500年))
- 末社比咩三神本殿(寛永2年(1625年))
- 神門(永正8年(1511年))
- 鳥居(天文4年(1535年))
重要文化財の指定年月日は、本殿が明治40年(1907年)、ほかの8件が昭和24年(1949年)である。境内にはこのほか、山梨県が指定した文化財もある。
窪八幡神社への行き方と参拝
窪八幡神社の所在地は山梨県山梨市北654。神社の公式サイトによれば、JR中央本線の山梨市駅からタクシーで約10分、車では中央自動車道の勝沼インターチェンジから約30分である。
駐車場は境内の近くにあるが、台数は山梨県の観光情報でも5台と20台の2通りの記載があり、はっきりしない。祭礼の日などは事前に神社(電話0553-23-5390)へ確かめたい。境内の参拝に料金はかからない。
社殿の内部は通常公開されておらず、見学は外観が中心になる。外観の撮影を制限する旨は公式情報では確認できなかったが、祭典や祈祷の最中は控えたい。例大祭は毎年10月に行われ、春は4月上旬に境内の桜が見ごろを迎える。
参考文献
- 窪八幡神社本殿|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/866
- 窪八幡神社本殿|山梨市の文化財(山梨市)
- https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/site/cultural-assets/7852.html
- 重要文化財(建造物)|山梨市の文化財(山梨市)
- https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/site/cultural-assets/list129-289.html
- 大井俣窪八幡神社 公式サイト
- https://kubohachiman.com/
- 大井俣窪八幡神社|富士の国やまなし観光ネット(山梨県公式観光情報)
- https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4969.html
- 大井俣窪八幡神社|山梨の歴史を旅するサイト(やまなし観光推進機構)
- https://www.yamanashi-kankou.jp/rekitabi/jisha/spot/041.html
最終更新日: 2026.09.24
基本情報
| 名称 | 窪八幡神社 |
|---|---|
| 所在地 | 山梨県山梨市北654 |
| 所有者 | 窪八幡神社 |
| 指定 | 重要文化財 9件 |
| 座標 | 35.70461, 138.69026 |