西谷の高台に移された江戸後期の堂

身延山久遠寺三昧堂は、山梨県南巨摩郡身延町身延の身延山久遠寺で、西谷の高台に南面して建つ文政5年(1823年)の堂で、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された。

文化庁の記録によれば、昭和16年(1941年)に現在地へ移築されている。移築前の場所は記録に書かれていない。後方の奥行3間分は増築部分で、江戸時代の本体の奥に後から継ぎ足した構成である。

堂の南西には水行堂があり、南東は瑞門と袖塀で区切られる。三つの建物が高台の上でひとまとまりの構えをつくっている。

三手先の組物と彫刻で埋めた向拝

文化庁の記録では、木造平屋建、銅板葺、建築面積163平方メートル。本体は桁行4間、梁間3間の入母屋造妻入で、正面に向唐破風の向拝を付ける。

身延山久遠寺三昧堂の見せ場は軒下にある。側廻りには尾垂木の付いた三手先の組物を、柱の上だけでなく柱間にも詰めて並べる。三手先は壁から3段に持ち出して軒を支える組物である。

向拝の周りは緻密な彫刻で埋め尽くされ、内部の天井は二重折上格天井とする。文化庁は、これらを江戸後期の充実したつくりと評している。

見どころと見学

身延山久遠寺三昧堂は、南の正面から向拝を見上げるのがよい。向唐破風の下の彫刻と、その左右に続く三手先の詰組を、一度に見比べられる。

内部の二重折上格天井を一般に公開しているという案内は公式サイトに見当たらない。久遠寺は堂内の撮影を原則禁止としているが、屋外は自由に撮影できる。参拝時間と境内への行き方は身延山久遠寺のページにまとめてある。

Q&A

Q身延山久遠寺三昧堂はいつ建てられましたか。
A文政5年(1823年)の建築で、昭和16年(1941年)に現在地へ移築されました。
Q身延山久遠寺三昧堂はどこにありますか。
A西谷の高台に南を向いて建ち、南西に水行堂、南東に瑞門があります。
Q身延山久遠寺三昧堂の組物の特徴は。
A尾垂木付きの三手先組物を柱間にも詰めて並べる詰組としています。
Q身延山久遠寺三昧堂の内部の天井はどうなっていますか。
A二重折上格天井です。
Q身延山久遠寺三昧堂はいつ登録有形文化財になりましたか。
A平成30年(2018年)5月10日に登録されました。

基本データ

名称身延山久遠寺三昧堂(みのぶさんくおんじさんまいどう)
所在地山梨県南巨摩郡身延町身延3620
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号19-132
指定年平成30年(2018年)5月10日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、銅板葺、建築面積163平方メートル、桁行4間、梁間3間(後方3間増築)
所有者宗教法人身延山久遠寺
公開状況外観のみ見学可(境内拝観無料・堂内撮影不可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 身延山久遠寺三昧堂
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012356
身延山久遠寺 公式サイト — 境内案内
https://www.kuonji.jp/precincts/
身延山久遠寺 公式サイト — よくある質問
https://www.kuonji.jp/faq/

最終更新日: 2026.10.01