えちぜん鉄道永平寺口駅本屋
えちぜん鉄道永平寺口駅本屋は、福井県吉田郡永平寺町東古市にある大正3年(1914年)建設の木造平屋の駅舎で、2011年(平成23年)7月25日に登録有形文化財に登録された。越前電気鉄道が福井から勝山方面へ線路を延ばしたときに建てられた建物である。
建築面積は122平方メートル、桁行17メートル、梁間4.5メートル。線路に対して妻を向ける妻入で、東を向いて建つ。屋根は寄棟造の瓦葺で、南の側面を葺き降ろしてホーム上屋を兼ねる。正面の入口には切妻の小屋根が張り出す。
開業時の駅名は永平寺駅で、大本山永平寺へ向かう参詣客が降りる駅だった。のちに永平寺鉄道が分岐し、金津方面への乗り換え駅にもなる。福井県の文化財解説は、えちぜん鉄道永平寺口駅本屋を沿線の中心的な駅舎と位置づけている。桁行17メートルという長さは、同じ路線のほかの駅舎の倍近くにあたる。
登録の理由と価値
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。えちぜん鉄道永平寺口駅本屋は、大正初期の地方私鉄が参詣客を迎えるために用意した駅舎の姿を、改造の少ない形で伝えている。
評価されているのは洋風の意匠の使い方である。外壁は板を横に重ねる南京下見板張で、白いペンキで塗られている。正面入口の妻面には欄間が入り、庇には飾りが付き、破風と内部の天井にも洋風の手が加わる。骨格は和風の木造でありながら、客の目に触れる部分に洋風の表情が置かれている。
平成26年(2014年)、線路の反対側に新しい駅舎が建ち、この建物は駅舎としての役目を終えた。取り壊されずに「旧永平寺口駅舎地域交流館」となり、地元の集まりや展示に使われている。新駅舎は白を基調とした洋風のデザインで、旧駅舎の雰囲気を受け継いでいる。
見どころ
正面に立ったとき、まず目に入るのは入口の上の切妻屋根と、その下の欄間である。えちぜん鉄道永平寺口駅本屋でいちばん手のかかった部分がここに集まっている。庇を支える柱の飾りも合わせて見ておきたい。
南側へ回ると、屋根が一段低く葺き降ろされてホームの上屋になっている。屋根と上屋が別々に作られていない、大正期の駅舎の作り方がそのまま残る。
建物のすぐ脇を、いまも電車が走る。交流館の中には鉄道の写真や資料が並び、駅として使われていたころの道具も置かれている。駅前広場に建つ赤煉瓦の旧京都電燈古市変電所は、この鉄道に電気を送っていた建物で、駅舎と向かい合う位置関係が当時のまま残っている。
見学方法
えちぜん鉄道永平寺口駅本屋は地域交流館として公開されており、入館料はかからない。福井県のふくいヘリテージ協議会がまとめた紹介によれば、駅の改札が開いている時間帯は開いているという。新駅舎の窓口は通年で午前6時20分から午後7時50分まで。行事や貸切で使われていることもあるので、中を見たい日は事前に確かめると確実である。
行き方は、福井駅からえちぜん鉄道勝山永平寺線の電車で永平寺口駅まで、昼間はおよそ22分。日中の運転はおおむね30分間隔である。駅前の駐車場は29台分で無料、レンタサイクルが3台あり、大本山永平寺へ向かうバスも駅前から出る。
撮影は駅前広場からが撮りやすい。妻面と入口の切妻屋根が正面から収まり、旧京都電燈古市変電所と並べても撮れる。ホーム側から狙う場合は乗車券が必要で、走行中の電車へのフラッシュと三脚は避けたい。
ここに書いた時間は2026年9月に確認した。開館の扱いは変わることがあるので、えちぜん鉄道と永平寺町の案内で確かめてほしい。
Q&A
- えちぜん鉄道永平寺口駅本屋は中に入れますか。料金はかかりますか。
- 入れます。旧永平寺口駅舎地域交流館として公開されており、入館料はかかりません。駅の改札が開いている時間帯に合わせて開いているとされ、新駅舎の窓口は午前6時20分から午後7時50分までです。
- えちぜん鉄道永平寺口駅本屋はいまも駅舎として使われていますか。
- いいえ。2014年に線路の反対側へ新しい駅舎が建ち、旧駅舎は地域交流館になりました。電車を待つ改札は新駅舎の側にあります。
- えちぜん鉄道永平寺口駅本屋へはどう行きますか。
- 福井駅からえちぜん鉄道勝山永平寺線で永平寺口駅まで昼間およそ22分、日中はおおむね30分間隔です。駅前に29台分の無料駐車場があります。
- えちぜん鉄道永平寺口駅本屋の見どころはどこですか。
- 正面入口の切妻屋根と欄間、庇の飾り、南側で屋根を葺き降ろしたホーム上屋、白く塗られた南京下見板張の外壁です。内部には鉄道の写真や資料が展示されています。
- えちぜん鉄道永平寺口駅本屋の近くに、ほかに文化財はありますか。
- 駅前広場に旧京都電燈古市変電所が建っています。この鉄道に電気を送っていた赤煉瓦の建物で、登録有形文化財です。内部には入れません。
基本データ
| 名称 | えちぜん鉄道永平寺口駅本屋 |
|---|---|
| 所在地 | 福井県吉田郡永平寺町東古市1字穴田古神1-4他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 2011年(平成23年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、建築面積122平方メートル、桁行17メートル、梁間4.5メートル |
| 所有者 | 永平寺町 |
| 公開状況 | 地域交流館として公開。入館無料 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース えちぜん鉄道永平寺口駅本屋(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008677
- 文化遺産オンライン えちぜん鉄道永平寺口駅本屋(文化庁)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/184178
- 福井県文化財ページ えちぜん鉄道永平寺口駅本屋(福井県教育庁)
- https://bunkazai.pref.fukui.lg.jp/search_category/content?detail_id=748-0
- 旧えちぜん鉄道永平寺口駅舎(歴史的建造物等活用コンシェルジュプロジェクト)
- https://www.rekikenkatuyo-fu.com/property/eiheijiguchiekisya
- えちぜん鉄道永平寺口駅(福井県観光連盟 ふくいドットコム)
- https://www.fuku-e.com/spot/detail_5228.html
- 駅情報 永平寺口(えちぜん鉄道)
- https://www.echizen-tetudo.co.jp/station/12.html
最終更新日: 2026.09.20