西野家住宅主屋とは
西野家住宅主屋は、福井県越前市定友町にある江戸時代末期(1830〜1868年)の農家を大正前期に移築した住宅で、平成29年(2017年)6月28日に国の登録有形文化財に登録された。木造2階建、鋼板葺で、建築面積は221平方メートル。登録番号は18-0177である。
もとは近隣の池田町に建っていた農家で、大正前期(1912〜1918年)にこの地へ移され、あわせて背面に増築が加えられた。平成2年(1990年)にも改修を受けている。西野家住宅の6件のなかで、建物そのものの起源がいちばん古いのがこの主屋である。
登録の理由:二つの時代を一棟に
西野家住宅主屋の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説は、移築した江戸末期の部分と、大正期に増築した部分が、それぞれの時代の特徴を備えている点を評価した。
古い部分は五箇の民家らしい構えと間取りを伝え、新しい部分は大正期の住まいの明るさを見せる。ひとつの主屋のなかで、農家の家が製紙家の住まいへと姿を変えていった過程を読み取ることができる。
見どころ:東の妻に立つ卯建
西野家住宅主屋の移築部は、梁間4間、桁行6間の規模をもつ。妻入の建物で、東の妻面に卯建を高く立ち上げている。文化庁はこれを当地方特有の外観と述べており、五箇の町並みでよく知られる「妻入卯建」の姿を伝える一棟である。
内部は六間取で、部屋が縦横に整然と並ぶ。床構えには、角に丸太の皮肌を残した面皮材が使われており、農家の骨組みのなかに数寄屋の好みが差し込まれている。
背面の増築部はがらりと表情が変わる。ガラス戸を多く建て込んだ開放的な外観で、光を取り込む大正期の住宅の感覚がよく出ている。重い土壁と卯建の妻側から、ガラス戸の並ぶ背面へ回り込むと、同じ主屋とは思えないほどの違いがある。
見学方法
西野家住宅主屋は個人の屋敷の中心にあり、ふだんは内部も外観も見学できない。通りに面した北側は塀で閉じられており、主屋の卯建が見られるのは、特別公開などで敷地に入れる機会に限られる。
公開の際は、主屋の東側から妻面を見上げると卯建の高さがよく分かる。内部に入れるかどうかは催しごとに異なるため、主催者の案内を確かめてほしい。
Q&A
- 西野家住宅主屋はどんな建物ですか?
- 江戸末期の農家を大正前期に池田町から移築し、背面に増築した木造2階建の住宅です。建築面積は221平方メートルで、東の妻面に卯建を立ち上げています。
- 西野家住宅主屋の卯建とは何ですか?
- 妻側の壁を屋根より高く立ち上げた部分で、文化庁は当地方特有の外観としています。五箇では妻入の家に卯建を立てる「妻入卯建」の姿が知られています。
- 西野家住宅主屋が登録有形文化財になった理由は何ですか?
- 移築した江戸末期の部分と大正期の増築部が、それぞれの時代の特徴を備えている点が評価されました。登録基準は「造形の規範となっているもの」です。
- 西野家住宅主屋はいつ登録されましたか?
- 平成29年(2017年)6月28日に、西野家住宅のほかの5件と同じ日に登録されました。登録番号は18-0177です。
- 西野家住宅主屋は見学できますか?
- 常時の公開はありません。個人の屋敷のため、見学できるのは特別公開などの機会に限られます。内部に入れるかは催しごとの案内で確かめてください。
基本情報
| 名称 | 西野家住宅主屋(にしのけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 福井県越前市定友町4字福岡8-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成29年(2017年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積221㎡(木造2階建、鋼板葺)。移築部 梁間4間・桁行6間 |
| 所有者 | 非公表 |
| 公開状況 | 常時公開なし(個人の屋敷。特別公開や美術展の会場として公開されることがある) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)西野家住宅主屋
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011686
- 文化遺産オンライン 西野家住宅主屋
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/275022
- 越前市 文化財指定別一覧(越前市)
- https://www.city.echizen.lg.jp/office/090/030/shiteibunkazai/siteibetu.html
- 西野家住宅 活用希望者募集(ふくいヘリテージ協議会、2019年)
- https://www.fukuiken-kenchikushikai.or.jp/fukuiheritage/archives/1781/
最終更新日: 2026.09.29